駅の発車メロディなぜ誕生 名門吹奏楽部からアイドルのピアノ演奏まで

そもそも駅メロディはなぜ生まれ、なぜ電子音が多いのか

 昭和の時代は、入線時や発車時にホームで鳴らされていたのはベルでした。ただ、一部では苦情も出ていたそうです。

 ベルに代わり、メロディが広く認知されるきっかけをつくったのはJR東日本。1980年代後半、発足間もない同社は、耳当たりの良い発車メロディをいちから制作し、放送設備を更新していくこととなりました。その際に求められたことは「不調和にならない」「小さな音でも遠くまで聞こえる」「長年使っても飽きない」など。言うのは簡単ですが、製作する側には難題です。

 その問題を解決するヒントは「お寺の鐘」にありました。鐘の音は「倍音」と呼ばれる成分が発生していて、ひとつの音に聞こえても複数の音で構成されており、ほかの音と共鳴しても不快に感じにくいのです。そこで、「倍音」を人工的に出しやすく、音どうしのコントロールも容易な電子音が使われるのです。初期に作られた発車メロディは、鐘の音の「倍音」に含まれる音だけで構成して作られました。

Large 181220 melody 02
鯖江駅。鯖江市ゆかりのマリンバによるメロディが流れる(画像:JR西日本)。

 一方、生楽器を使ったメロディの場合、近いホームで同時に鳴ると音どうしがぶつかり合い、不快に共鳴してしまいがちです。先に挙げた乃木坂駅の発車メロディ『君の名は希望』は、1番線と2番線でバージョンが異なり、場所の特性に応じてアレンジがなされています。原曲は途中から劇的に転調しますが、両バージョンとも転調前の同じ調の部分が使われ、メロディがぶつかって不調和にならないよう工夫されています。また、鳴っている時間も5秒程度と短く、あまり同時に鳴ることがありません。

 ニューシャトルの場合、大宮駅はホームが1面のみ、鉄道博物館駅は上下ホームが新幹線の敷地を挟んで離れているため、メロディがぶつかることがないのです。

【写真】ニューシャトルの発車メロディを演奏した日本屈指の高校吹奏楽部

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. 「名門吹奏楽部のオーケストラから」ってタイトル。
    誰もチェックしなかったのかなぁ?
    吹奏楽は主に呼気を使って演奏する楽器による演奏(例外として打楽器などが含まれる)。
    オーケストラは管弦楽と訳され、吹奏楽で使用される楽器のほか、弦楽器を主要パートとして含む楽団を指す。

    で「名門吹奏楽部のオーケストラから」って?

  2. >ベルに代わるメロディを採用した先駆けはJR東日本
    京阪電車淀屋橋駅が1971年に導入したのが最初と言われてるんですけど……。ちなみにJR東日本が本格導入した時に採用された会社の一つが日本電音で京阪沿線に本社(大阪府枚方市)があります。

    • 私も1970年代に京阪の三条駅で発車メロディをよく聴きましたよ。

  3. 吹奏楽部のオーケストラとありますが、オーケストラは管弦楽であり、金管がメインの吹奏楽とは別のものです。記事のタイトルを作る際は特に、検索して調べてはどうでしょう。よろしくお願いいたします。

    • 何でこんな初歩的な間違いが通ったんでしょうね?
      おかげで記事の中身が入ってきません。