駅の発車メロディなぜ誕生 名門吹奏楽部からアイドルのピアノ演奏まで

金管楽器の「ファンファーレ発車メロディ」、1年で取りやめになったワケ

 過去には、生楽器の演奏を使った発車メロディの使用が取りやめられた例もあります。

 信越本線と篠ノ井線、しなの鉄道線が交わる篠ノ井駅(長野市)では、1990(平成2)年に発車メロディを導入。当時は長野へのオリンピック誘致活動が山場を迎えており、「オリンピックを連想させるものを」という当時の駅長の提案で、金管楽器によるファンファーレを発車メロディとして使用しました。

 1番線は長野市消防団、2・3番線は陸上自衛隊による演奏で、それぞれ別の楽曲を使用。「ファンファーレが鳴り終わりましたら、〇番線から列車が発車します」とのアナウンスののち、トランペットやトロンボーンなど金管楽器の重厚なハーモニーがホームに響き渡っていました。このメロディは、当時の若者向け深夜ラジオ番組「ラジオはアメリカン」(TBSラジオ)でも紹介され、リスナーのあいだで話題に。番組スタッフとリスナーで実際に篠ノ井駅でメロディを聞くイベントも行われたほどです。

 しかし一方で、この「ファンファーレ発車メロディ」について、駅や新聞の投書覧などに「耳障り」といった声も寄せられていたそうです。複数路線が発着する篠ノ井駅では、複数の列車がほぼ同時に発車する場合もあり、テンポも違う別のメロディが同時に大音量でぶつかることもありました。

 その後、1998(平成10)年の「長野オリンピック」開催が決定したこともあり、発車メロディはたった1年で、電子音の発車メロディ『Water Crown』に取って代わられることとなりました。いまもJR東日本の多くの駅で使われているメロディです。

【了】

※記事制作協力:風来堂、oleolesaggy
※⼀部内容を修正しました(1月28日10時15分)。

【写真】ニューシャトルの発車メロディを演奏した日本屈指の高校吹奏楽部

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コメント

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5件のコメント

  1. 「名門吹奏楽部のオーケストラから」ってタイトル。
    誰もチェックしなかったのかなぁ?
    吹奏楽は主に呼気を使って演奏する楽器による演奏(例外として打楽器などが含まれる)。
    オーケストラは管弦楽と訳され、吹奏楽で使用される楽器のほか、弦楽器を主要パートとして含む楽団を指す。

    で「名門吹奏楽部のオーケストラから」って?

  2. >ベルに代わるメロディを採用した先駆けはJR東日本
    京阪電車淀屋橋駅が1971年に導入したのが最初と言われてるんですけど……。ちなみにJR東日本が本格導入した時に採用された会社の一つが日本電音で京阪沿線に本社(大阪府枚方市)があります。

    • 私も1970年代に京阪の三条駅で発車メロディをよく聴きましたよ。

  3. 吹奏楽部のオーケストラとありますが、オーケストラは管弦楽であり、金管がメインの吹奏楽とは別のものです。記事のタイトルを作る際は特に、検索して調べてはどうでしょう。よろしくお願いいたします。

    • 何でこんな初歩的な間違いが通ったんでしょうね?
      おかげで記事の中身が入ってきません。