電車のパンタグラフ「ひし形」が「く」の字に コストだけではない普及の理由
電車が架線から電気を採り入れるため屋根に設置されているパンタグラフ。かつては「ひし形」のものが多かったですが、最近は「く」の字のものが多くなりました。なぜ形状が変わったのでしょうか。
電気を採り入れるための装置
駅のホームで電車を見上げると、屋根の上に細い棒が伸びているのが見えます。これは「パンタグラフ」と呼ばれる電車の部品のひとつ。電車や電気機関車は通常、線路の上に架設された電線(架線)から電気を採り入れ、これをモーターに送って走るため、屋根上にパンタグラフを設置しているのです。
このパンタグラフ、かつては「ひし形」と呼ばれるタイプを採用しているものがほとんどでした。細い棒を複数組み合わせたふたつのひし形で、集電舟(架線に擦らせて電気を採り入れるための部品)を支える構造になっています。
ところが、最近の新型電車のパンタグラフはひし形をほとんど採用しておらず、「く」の字になっているものが増えました。これは「シングルアーム式」と呼ばれるパンタグラフ。ひし形パンタグラフを採用した古い電車も、シングルアーム式パンタグラフに交換したものが増えています。なぜ、パンタグラフの形が変わったのでしょうか。
シングルアーム式パンタグラフは、1本の細い棒が途中で折れるような構造になっています。細い棒を何本も組み合わせたひし形パンタグラフに比べると部品の数は少なく、製造費が安くなります。部品の数が少ないため重量も軽くなり、車両の軽量化を図ることも可能。車両が軽いとレールに与えるダメージも少なくなり、線路のメンテナンスにかかる費用も抑えることができるのです。
パンタグラフの表面積が減るため、着雪も減る結果菱形より雪に強いとも言われているが、ここてはそこに触れられていないね。
実物は優れた性能だが、鉄道模型のシングルアームパンタグラフはシンプルな形ゆえに破損しやすい。
あれも昔は基部に金属の板バネを仕込んでパンタを持ち上げてたが、21世紀になってからは自立するようになった。
地味に進化してる。
Nゲージに復帰して驚いたことの一つ。
実際には追随性は良いものの、電圧の低く高密度運転の日本では安定した集電力を得られにくいという欠点があるため開発、普及が遅れたというメーカーの説もある。
京阪13000系のように、新造ながらパンタはひし形の旧車両のものを再利用したケースもある。
特急運用が少なくそこまでの高速運転を必要としない車両だからだろうか。
シングルアーム式パンタグラフといえばフランス国鉄のCC6500型ELだな。
「ル・ミストラル」の牽引機と聞けば思い浮かべる人も多いのでは
なるほど、パンタグラフが1本で軽いと架線追従性が良くなり、空気抵抗による騒音も減るのですね。勉強になりました。
ただ、「車両の軽量化を図ることも可能」に続くご説明には疑問も。もちろん軽くはなるでしょうが、車両1両全体に比べれば微々たる重量で、「レールに与えるダメージも少なくなり、線路のメンテナンスにかかる費用も抑えることができる」ことが、はっきり分かるレベルとは思えないのですが。
ひし形は複数の細い棒で集電舟を支えていることから高さの変化に追随しにくく、
の意味がわからない。