駅名なぜ変更? ゆりかもめ、京急などが計画 影響は広範囲、時期に理由も

ダイヤ改正日に駅名改称が多い背景

 そして、近年の駅名変更では「3月」が意味を持ちます。2019年3月16日(土)にゆりかもめが、船の科学館駅(東京都江東区)を「東京国際クルーズターミナル駅」に、国際展示場正門駅(同)を「東京ビッグサイト駅」にそれぞれ変更します。東京国際クルーズターミナルは、世界最大級のクルーズ船に対応できるよう建設が進む港湾施設です。開業は2020年7月で、駅名変更はこれに1年4か月ほど先行します。ゆりかもめに聞いたところ、京急電鉄の回答にもあったように「IC乗車券などシステム変更のタイミング」とのことでした。

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2019年3月16日にゆりかもめは2駅を改称する(画像:ゆりかもめ)。

 ここで、ゆりかもめの駅名変更日「2019年3月16日」に注目します。この日はJRグループのダイヤ改正日です。JRに直通運転する私鉄や地下鉄、新幹線や特急に接続する地方私鉄も、この日に合わせてダイヤを改正します。新しい列車が誕生したり、新しい駅ができたり、廃止されたりします。

 つまり、ダイヤ改正日は列車の時刻だけではなく、運賃に関する変更も生じるわけで、全国のIC乗車券のシステム変更も同時に行われます。このタイミングに合わせて駅名を変更すれば、駅名変更のためのシステム変更費用負担は小さくなるというわけです。

 さかのぼってみると、京阪電鉄が石山坂本線の4駅を改称した日は2018年3月17日で、JRグループのダイヤ改正日でした。東武鉄道が伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の松原団地駅(埼玉県草加市)を獨協大学前駅に変更した日は2017年4月1日で、JR東日本の磐越西線で郡山富田駅(福島県郡山市)が開業し、常磐線の小高~浪江間が復旧するなどのダイヤ改正が行われています。

 IC乗車券を採用していない鉄道会社は、駅名変更日を独自に設定しています。また、IC乗車券を採用している会社にも例外があります。たとえば、東急電鉄は2019年秋に田園都市線の南町田駅(東京都町田市)を「南町田グランベリーパーク」駅に変更します。駅に隣接するショッピングモールのリニューアルに合わせて、駅名を同名とするのです。また、駅名変更と同じ日に田園都市線のダイヤ改正を実施し、南町田グランベリーパーク駅を急行停車駅に格上げします。

 東急電鉄によると「駅名のみ3月に変更するという計画はなく、予定通り秋に駅名を変更します。正式な変更日はまだ決まっていません」とのこと。また、同時に駅名を変更する駅はないといいます。ちなみに東急東横線の学芸大学駅(東京都目黒区)や都立大学駅(同)は付近に同名大学がないため、違和感がある駅として話題になりますが、駅名変更の考えはないようです。

【了】

※一部内容を修正しました(2月26日22時20分)。

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コメント

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3件のコメント

  1. ゲートウェイのことをバカにしたいだけだろ

  2. 駅名標イメージに副称がないですね。
    記事が長い割にそこには全く触れてないのも気になります。

  3. 葉山なにがしといった副駅名をつけると、これから先も葉山町には鉄道を通さないという意思表示と解釈されないか。