開くのは2日だけ! 「日本最少」JR四国の津島ノ宮駅、営業しない日はどうなっている?

通年営業化の可能性は?

 しかし、記者の推測ですが、津島ノ宮駅を通年営業の駅にするのは非常に難しいと思われます。駅のホームがカーブの外側にあるためです。

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津島ノ宮駅のそばにある踏切。カーブ区間の傾斜で渡り板も傾いている(2019年1月、草町義和撮影)。

 鉄道のカーブは、外側のレールが内側のレールより高くなっていて、列車の車体が内側に傾くようにされています。カーブを走ると外側に引っ張られる力(遠心力)が働くため、内側に車体を傾けることで遠心力を弱めているのです。

 そのため、カーブの部分では車体の外側が高くなります。しかも津島ノ宮駅はカーブの外側に床の低いホームを設けているため、車両のドアとホームとの高低差が非常に大きくなってしまうのです。特に小さな子どもは、大人の助けを借りないと乗り降りも難しいでしょう。そのため、年に2日の営業日にはJR四国の社員が大勢やってきて、客の乗り降りを手助けしています。

 津島ノ宮駅を通年営業の駅にするためには、常に駅員がいる有人駅にするか、ホームをかさ上げしたりカーブを緩めたりする改良工事が必要です。いずれも人件費や工事費で膨大な費用がかかり、採算を取るのはかなり難しいといえます。

 人件費や工事費に見合うだけの利用者の増加があれば良いのですが、駅の周辺はマイカー移動が中心の典型的なクルマ社会。詫間駅などを結ぶコミュニティバスの停留所が津島ノ宮駅の近くにあり、公共交通の便も確保されています。こうしたなかで通年営業化しても、利用者はそれほど増えないでしょう。

 駅の脇で通過する列車を撮影していると、近くに住んでいるという70歳代の女性に声を掛けられました。「日本一の駅で有名だし、観光のこと考えたら、いまのままがいいのかもね」と笑いながら話し、交通の便で困っている様子は見られませんでした。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. コミュニティバス、日祝は運休ですけどね^^;;
    こういったレアな駅ってなると、どうしても一度は行ってみたいって思ってしまう。