リニア中央新幹線の名古屋駅、工事初公開 地下トンネルの「壁」を構築中(写真40枚)

名古屋駅で中央新幹線の工事現場が初めて公開。東海道新幹線や在来線の真下に地下ホームを建設するため、地中に「壁」を構築する作業が進められていました。高架橋の下という制約を解消するため、特殊な土木機械も導入されています。

特殊な土木機械で「高架下」の制限を解消

 JR東海は2019年3月7日(木)、名古屋駅でリニア中央新幹線の工事現場を報道陣に公開しました。東海地区で中央新幹線の工事現場が公開されたのは、これが初めて。地上にある現在の東海道新幹線や在来線の線路の地下に、リニアのプラットホームが建設されます。

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東海道新幹線の名古屋駅。高架ホームの下で「リニア名古屋駅」の工事が行われている(2019年3月7日、草町義和撮影)。

 公開されたのは、名古屋駅の北側にある工事現場。東海道新幹線のホームがある高架橋の下に入ると、高架橋の天井にとどきそうな大きさの「掘削機」と「建込機」が置かれていました。掘削機は、深さ75m、幅1.5m、奥行2.4mの縦穴を掘削。その隣に設置された建込機は、鉄骨を組み上げた「鉄筋かご」を装着し、縦穴に鉄筋かごをはめ込む作業を行っていました。

 この鉄筋かごにコンクリートを流し込むと、コンクリート製の柱のような構造物になります。これを隙間なく横へ並べるように建設すると、地下トンネルの壁になります。

 地下トンネルを建設する場合、上からそのまま掘り進めると、周囲の土砂が崩れて縦穴を埋めてしまいます。そこで、あらかじめ壁を構築し、周囲の土砂が崩れないようにしてから、ホームや線路が設置される部分の土砂を掘るのです。

 掘削機と建込機は、クレーンのような背の高いものが一般的ですが、この「リニア名古屋駅」は東海道新幹線の高架橋がすぐ上にあり、背の低い特殊な掘削機と建込機が導入されました。地上からの深さが75mに及ぶ壁も、東海道新幹線の高架橋があるため、1回で設置することができません。そのため、鉄筋かごを28個(1個の長さは2.4m)に分割して東海道新幹線の高架下に収まるようにし、ひとつずつはめこんでいるといいます。

 愛知工事事務所の出口 彰所長は公開後の記者会見で「(真上で)多くの列車を走らせながら地下駅を建設するという、非常に難易度の高い工事です。関係者全員が緊張感をもって、安全に取り組む姿勢をいかに持続していくか、それが重要と考えております」と話しました。

【了】

【写真】高架下の工事現場と特殊な土木機械

Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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