唯一無二の造形! 艦橋が個性的すぎる戦艦「扶桑」の一部始終 試行錯誤期の超ド級戦艦

「艦橋」は、いわば艦艇の顔ともいえるものですが、なかでもトガった個性を見せていたのが、旧海軍の戦艦「扶桑」でしょう。艦砲など、その艦上構造物の配置も独特です。なぜそこまで個性的な戦艦に仕上がったのでしょうか。

建造よりも長い時間を掛けて改装したが

「扶桑」は日本初となる排水量3万トン超えの巨艦となりました。竣工時点では世界でもっとも強力な戦艦といってもよかったのです。ところが最高速力は22.5ノット(約41.6km/h)しか出せなかったため、ほかの戦艦(伊勢型24.5ノット〈約45.3km/h〉、長門型25ノット〈約46.3km/h〉)と戦隊が組めず、この速力不足が後々まで、文字通り「扶桑」の足を引っ張ることになります。

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1915年8月24日、全力公試中の「扶桑」。改装前の姿で、艦橋の形状はかなり違う。

 12門もある主砲は、横方向に斉射すると、爆炎が艦全体を覆って照準を妨げ、爆風で艦橋構造物が破損し、おまけに船体がゆがむという有様でした。また第1次世界大戦の海戦の経験から、戦艦は側面防御だけでなく、真上から落下してくる砲弾に対する水平面の防御も重要なことがわかりましたが、「扶桑」は甲板や主砲塔の天蓋装甲が薄いなど、水平面の防御力が不足していることも明らかになりました。

 つまり「扶桑」は、日本海軍の期待とは裏腹に、走、攻、守とも欠陥を抱えていたのです。これを改善するため1930(昭和5)年4月から1933(昭和8)年5月、1934(昭和9)年9月から1935(昭和10)年2月の2度に渡って、述べ約4年をかけて近代化改修工事が実施されます。工期が2回に分かれたのは、1931(昭和6)年9月から1932(昭和7)年2月のあいだに「満州事変」が起こり、工事を中断して配置に戻ったためです。ちなみに「扶桑」の起工は1912(大正元)年3月、就役が1915(大正4)年11月ですので、建造期間より改修期間の方が長くかかっています。

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