唯一無二の造形! 艦橋が個性的すぎる戦艦「扶桑」の一部始終 試行錯誤期の超ド級戦艦

「艦橋」は、いわば艦艇の顔ともいえるものですが、なかでもトガった個性を見せていたのが、旧海軍の戦艦「扶桑」でしょう。艦砲など、その艦上構造物の配置も独特です。なぜそこまで個性的な戦艦に仕上がったのでしょうか。

「戦ってはいけないフネだった」

 1943(昭和18)年6月から1944(昭和19)年2月まで、「扶桑」の艦長を務めた鶴岡信道大佐は戦後、「結果的には、『扶桑』『山城』という戦艦は、本来、太平洋戦争で使ってはならないフネだったわけですね」と回想しています。

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1933年4月28日に撮影された、改装工事が中断される直前の「扶桑」。

 約4年をかけた改修にもかかわらず、欠陥を充分に克服したとは言えない「扶桑」は、太平洋戦争が始まると、「真珠湾攻撃」「ミッドウエー作戦」に参加するものの直接アメリカ軍と交戦することは無く、以後は性能不足と見なされ、ほとんど訓練や輸送支援などの後方任務についていました。実戦に復帰したのは、本格的に戦況が悪化してきた1944(昭和19)年10月18日に発動された「捷一号作戦」からでしたが、もう戦果は望むべくもありません。10月25日の「スリガオ海峡海戦」でアメリカ駆逐艦隊の待伏せを受け、12門の主砲を生かした砲撃戦を交えることなく午前3時頃、アメリカ海軍駆逐艦「メルビン」の1発ないし2発の魚雷が右舷中央部に命中して落伍、午前3時38分から50分のあいだに沈没しました。

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1930年代に東京湾で撮影されたという写真、手前から「山城」「扶桑」「榛名」(画像:アメリカ海軍)。
1944年10月24日、スールー海の「扶桑」。上は巡洋艦「最上」(画像:アメリカ海軍)。
1944年10月24日スールー海で爆撃を受ける「扶桑」または「山城」(画像:アメリカ海軍)。

「扶桑」の船体は真っぷたつに割れて大爆発を起こしたとの証言もありますが、アメリカ駆逐艦「ハッチンス」の戦闘報告書には、船体はふたつに割れたが爆発したとの記載はありません。「扶桑」の最期については、同じ日に撃沈された同型の「山城」と混同されたり、日米の資料、証言にも差異があったりして、正確なところはわかっていないのです。「扶桑」の生存者は7名から10名だったとされています。

 2017年12月に故ポール・アレン氏の財団が、沈没した「扶桑」を発見したと発表しています。

【了】

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