文化財に登録される「スイッチバック駅」、えちごトキめき鉄道の二本木駅を訪ねてみた

えちごトキめき鉄道の二本木駅。急な坂が続く区間に位置するため、列車がジクザグに行き来する「スイッチバック」の駅ですが、このほど駅構内の施設7件が国の登録有形文化財になることに。どんな駅なのか、実際に訪ねました。

窓口でのきっぷ販売は終了

 二本木駅は1911(明治44)年、関東と長野、新潟を結ぶ信越本線の駅として開業。旅客列車はわずかな本数の普通列車が停車するだけでした。しかし、駅裏に化学薬品の製造工場が建設され、原料を工場に運んだり、生産された薬品類を全国各地に送ったりする貨物列車が運転され、駅構内は多数の貨車でにぎわいました。

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引き込み線に設置された雪囲い(2019年3月25日、草町義和撮影)。

 信越本線は1987(昭和62)年の国鉄分割民営化でJR東日本が引き継ぎ、貨物列車はJR貨物が運行するようになりました。北陸新幹線 長野~金沢間が延伸開業した2015(平成27)年3月には、二本木駅を含む新潟県内の妙高高原~直江津間がJRから第三セクターのトキ鉄へ経営が引き継がれました。

 二本木駅の各種施設が登録有形文化財になる見込みとなったのは、2019年3月18日(月)のこと。国の文化審議会が「豪雪地帯に特化した独特な鉄道駅の景観」を形成しているとして、二本木駅の駅舎や雪囲いなどを登録有形文化財として登録するよう答申しました。

 ただ、沿線は少子高齢化が進む典型的な過疎地帯。JR東日本とトキ鉄の公表資料によると、旅客列車の乗車人員は2000(平成12)年度が234人だったのに対し、2017年度は4割減の140人でした。貨物列車の乗り入れも2007(平成19)年に終了しており、かつて駅構内を埋めていた貨車もいまはありません。

 こうしたこともあり、二本木駅は2019年3月31日(日)限りで駅窓口での乗車券や定期券の販売を終了。駅舎の清掃、観光案内などの業務は、地元の非営利団体が委託されました。

【了】

【地図】「文化財」になる二本木駅、どこにある?

Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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