文化財に登録される「スイッチバック駅」、えちごトキめき鉄道の二本木駅を訪ねてみた
えちごトキめき鉄道の二本木駅。急な坂が続く区間に位置するため、列車がジクザグに行き来する「スイッチバック」の駅ですが、このほど駅構内の施設7件が国の登録有形文化財になることに。どんな駅なのか、実際に訪ねました。
新潟県内では唯一のスイッチバック
新潟県上越市内にある、えちごトキめき鉄道(トキ鉄)妙高はねうまラインの二本木駅。山あいにある駅ですが、このほど駅舎や倉庫など駅構内にある施設7件が、国の登録有形文化財として登録される見込みになりました。トキ鉄によると、駅構内にある登録有形文化財の数としては、全国で2番目に多くなるといいます。
なぜ登録有形文化財になるのか、その理由を探ろうと2019年3月25日(月)、二本木駅を訪ねてみました。
北陸新幹線「はくたか」を上越妙高駅(新潟県上越市)で下車し、妙高はねうまラインの普通列車に乗り換えました。列車は妙高山など高い山がそびえる長野県境のほうへ進み、線路の勾配もきつくなっていきます。
10分ほど過ぎて、まもなく二本木駅に到着するという自動放送が入ると、列車は木造の車庫らしき建物に覆われた引き込み線に入って停車。そして逆向きに走り出しました。バックしながら進む先にも引き込み線があり、そこにプラットホームが設置されています。このような構造の駅を「スイッチバック駅」といいます。
二本木駅付近は線路の勾配がきついため、その途中で列車を停止させたり発進させたりするのが困難でした。そこで、勾配を緩くした引き込み線を設け、そこに駅のホームを設置。列車は引き込み線に出入りするため、前進、後退するのです。いまでは車両の性能が向上し、勾配がある場所でも列車を停止、発進できるケースが増えたため、スイッチバックを採用した駅が減少。二本木駅は、新潟県内では唯一のスイッチバック駅になりました。
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