ある意味日本の「エリア51」 毎夏恒例、富士山麓の夜空に浮かぶ発光体の正体は…?

1発でろうそく160万本ぶんにも!

 ゆらゆらと降りてくる、オレンジ色の明るい発光体の正体は、自衛隊で使用している「照明弾」というものです。

 この照明弾は、夜間における戦闘を想定した訓練で使用されます。光の明るさ(光度)を表すのに「カンデラ」という単位があり、1カンデラはおおよそろうそく1本ぶんですが、小さい照明弾では光度60万カンデラの明るさで地上を照らし、大きな照明弾になると100万カンデラを超える明るさになります。

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照明弾(写真上)の明かりを頼りに射撃する戦車などの戦闘車両(武若雅哉撮影)。
照明弾も打ち上げることができる120mm迫撃砲(武若雅哉撮影)。
81mm迫撃砲の射撃。こちらでも照明弾を打ち上げられる(武若雅哉撮影)。

 照明弾は、陸上自衛隊が装備する各種の火砲(大砲などの火器)で打ち上げますが、装備により使用弾薬およびその威力が異なるように、照明弾も装備により、その光度が多少異なります。たとえば81mm迫撃砲の場合、1発の照明弾の光度は100万カンデラで、100mの高さから、東京ドームとほぼ同じ面積を照らすことができます。120mm迫撃砲の場合だと、1発で160万カンデラ、84mm無反動砲の場合は、1発で65万カンデラという明るさで光り輝きます。「ゆらゆらと降りてくる」挙動は、照明弾に取り付けられたパラシュートによるものです。

 このほか火砲による「発光体」としては、白く光りながら流れ星のように落ちてくるものがあります。これは「曳(えい)火射撃」という、空中で砲弾を炸裂させる方法で射撃した場合に見られるものです。

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コメント

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2件のコメント

  1. 夜間演習は普通のチケットでは入れないでしょ?
    記憶違いかもしれないけど。
    浅田次郎の短編だと、照明弾を視認したら下手に伏せたりするよりその場で立ち尽くす方が敵から認識されないと。
    今後見られないだろう、74式のサーチライトはすごかった。
    戦車の前面に真夏の真昼ができる光の強さだった。

  2. こっちも見た。昭和59年8月、御殿場ルートで夜空に数々の無数の白銀のかけらが、ゆらゆらと光が広がるように下に落ちることがなく消えていった。あれは何だろうか。照明弾とは思えない。