ある意味日本の「エリア51」 毎夏恒例、富士山麓の夜空に浮かぶ発光体の正体は…?

浮上していく発光体の正体は?

 照明弾ほど頻繁に見ることはできませんが、地上から空へと昇っていく発光体の目撃情報もあります。

 この明かりの正体は、空挺部隊が演習場へパラシュート降下などをするために必要な情報を集める、「観測気球」に取り付けられた照明です。

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第1空挺団の降下誘導小隊による、観測用風船(写真左上の黒い球)の浮揚。夜間はこれに照明が付き、降下する空挺隊員たちを導く(武若雅哉撮影)。

 空挺部隊の降下訓練は昼夜を問わず行われます。この観測気球はそのために揚げられるもので、その結果をもとに、航空自衛隊の航空機や陸上自衛隊のヘリコプターが適切な進路から演習場に進入し、空挺隊員を降下させます。

 ちなみにこの夜間降下ですが、現役の空挺隊員によると、着地地点が暗くてよく見えず、屈強揃いの彼らでも着地する直前は“少しだけ”怖いそうです。

 こうした訓練時は、一般人が演習場に立ち入ると大変危険なため、監視任務を持った自衛官たちによって、周囲は厳重に警備されます。その厳重さは、まさに「エリア51」に通ずるものがあります。そのため、一部UFO愛好家のあいだでは「自衛隊がUFOを使って訓練している」ともささやかれているそうです。

 この夜間訓練の様子は、毎年8月末に行われる「富士総合火力演習」という実弾演習において、一般人であってもチケットがあれば見学できます。ほか、御殿場市内や富士山からも、この照明弾を確認することができます。富士山周辺で目撃される「謎の発光体」の正体は、“そのほとんどが”こうした自衛隊の照明弾などのことだったのです。

 ただし、なかには照明弾などとは明らかに違う発光体を見たという目撃情報もあります。それは、単なる見間違いか、それとも……。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 夜間演習は普通のチケットでは入れないでしょ?
    記憶違いかもしれないけど。
    浅田次郎の短編だと、照明弾を視認したら下手に伏せたりするよりその場で立ち尽くす方が敵から認識されないと。
    今後見られないだろう、74式のサーチライトはすごかった。
    戦車の前面に真夏の真昼ができる光の強さだった。

  2. こっちも見た。昭和59年8月、御殿場ルートで夜空に数々の無数の白銀のかけらが、ゆらゆらと光が広がるように下に落ちることがなく消えていった。あれは何だろうか。照明弾とは思えない。