昭和初期の「名車」京急デハ230形の車体修繕完了 新本社ビルに保存・展示へ
京急電鉄が進めてきたデハ230形電車(デハ236号車)の車体修繕が完了。昭和初期から戦後にかけて約50年間使われた「名車」が復活しました。車両は、横浜みなとみらい21地区の京急グループ本社で展示される予定です。
修繕に約2年
京急電鉄デハ230形電車(デハ236号車)の車体修繕が完了し、2019年6月4日(火)、鉄道車両メーカーの総合車両製作所(横浜市金沢区)で報道陣にその姿が公開されました。
デハ236号車は1929(昭和4)年、京急電鉄の前身のひとつである湘南電気鉄道がデ1形(デ6号車)として製造し、翌年の湘南電気鉄道開業時から運行を開始した車両です。1948(昭和23)年、京急電鉄が発足しデハ230形に改番。1978(昭和53)年に引退しました。
車両の長さは16m、幅は2.74m、高さは3.95m。自重は33.5トン、主電動機は93.3キロワット(125馬力)4台、定員は100人です。
京急電鉄によると、デハ230形は「48年間、京急電鉄を支えた車両で、当時の最高技術を取り入れ日本の名車として広く知られ、現在の高速化スタイルを確立した電車の草分け的存在」といいます。
引退後、1979(昭和54)年からは、埼玉県川口市の児童文化センター(現・川口市立科学館)で保存・展示されることに。長いあいだ川口市民に親しまれてきましたが、38年ぶりとなる2017年、京急電鉄に里帰りしています。
修繕作業は総合車両製作所の協力のもと、2017年5月から始まりました。車体外側の塗装を剥がして補修・再塗装を行い、車内は内装部品を修理して、乗務員室や床も修繕しています。作業完了までおよそ2年を費やしました。
車体の修繕が完了したデハ236号車は、2019年秋に横浜みなとみらい21地区に誕生する京急グループ新本社ビルの1階に併設される「京急ミュージアム(仮称)」で保存・展示される予定です。
【了】
川口市の青木町公園で保存されていた車両では?