筑豊は「爆破」で町おこしなるか? 『西部警察』的体験も可能なプロジェクト進行中
筑豊のネガティブイメージも逆手に
永芳さんが映像の道を志したきっかけは、約40年前の小学生時代に、福岡市内で行われたテレビドラマ『西部警察』のロケを見学したことだといいます。目の前で繰り広げられる爆破カーチェイスの迫力に圧倒され、緊張感みなぎる制作現場のスタッフたちをかっこよく感じたといい、その翌日からさっそくショートムービーの撮影をはじめ、いまの仕事に至っているそうです。
筑豊アクションプロジェクトのウェブサイトには、永芳さんにより次のような活動趣旨が記されています。
・筑豊の炭坑の跡地や、手がつけられていない荒地、廃墟、シャッターが閉まったままの商店街の店舗などを、これからもただ残っているだけの場所にするのではなく、映画産業資源や観光資源に変え、「筑豊でしかできないロケの誘致」「筑豊でしか不可能なイベント」を行えば、地元への収入や観光客の増加などにつながるかもしれない。
・筑豊に付きまとう「怖い」「暗い」といったネガティブイメージも、無理にふたをせず逆手にとれば、アクションやハードボイルドといった男気のある世界観とリンクさせ、筑豊のイメージを違ったものに転換できるのではないか。
・筑豊には新しいアトラクション施設やスタジオを作るようなプランはなく、観光客が楽しめるような施設も乏しい。それならば、筑豊8市町村全域に点在する本物の乗りものや施設、道路、空き地を借り、地域自体を“リアルなアミューズメントパーク化する”というアイディアに挑戦してみたい。
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こうして立ち上がったプロジェクトは、各自治体の後援を取り付けたほか、映像業界からの反応もよく、2019年7月時点でテレビドラマやミュージックビデオ、CMなど複数のロケが決まっているそうです。
海外でも、たとえば広大な廃墟となった街をアクションシーンの撮影に活用することで、多くのハリウッド映画のロケ誘致に成功している事例もあり、筑豊にもそうしたロケのメッカになる未来があるかもしれません。
しかしそれも、安全性の確保があってこそ。一般人がケガをするようなことがあれば、すべてが終わってしまうと永芳さんは話します。「これまでの仕事で培ってきたノウハウのほか、スタントの専門家などのアイデアをお借りしながらプロジェクトを進めています」とのことです。
【了】
地元ですごい施策が行われていて、驚きました。笑