山手線に踏切! いまも1か所だけ存在、「改良」に向けた動きが活発に

踏切解消されれば「自動運転」大きく前進か

 国土交通省は2017年、第二中里踏切を「改良すべき踏切道」に指定。これを受けて東京都北区とJR東日本の2者は、第二中里踏切の改良策を検討する会を設置しました(2018年9月12日付け建設通信新聞)。仮に第二中里踏切が立体交差化で解消されれば遮断時間がゼロになって道路渋滞が改善されるほか、踏切でのトラブルもなくなって、列車の運休や遅延も減ると見られます。

 それだけではありません。第二中里踏切が解消されれば、山手線の「自動運転化」も実現に向け、大きく動き出すことになるでしょう。

 JR東日本は2018年7月に公表したグループ経営ビジョン「変革2027」で「ドライバレス運転の実現」、つまり運転士が列車の運転操作を行わない自動運転の実現を掲げており、同年12月から2019年1月にかけ、山手線で自動列車運転装置(ATO)を使った自動運転の走行試験を行っています。

 鉄道の自動運転は古くからある技術ですが、踏切があると人や自動車の立ち入りなど不意のアクシデントに対応しにくく、全線が高架橋や地下トンネルで道路との交差が完全に立体化されている鉄道でしか実現していません。第二中里踏切がなくなれば山手線は完全な立体交差化が図られることになり、自動運転しやすい環境が整います。

 第二中里踏切をどのように改良するかは、まだ決まっていません。いまのところ、完全な立体交差化のほか、歩道橋の設置によって歩行者のみ立体交差化を図ることも想定されます。JR東日本と東京都北区は2019年度に概略設計を行い、2020年度には改良計画をまとめる方針です。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 費用全額をJRで負担して、さっさと踏切を無くせば良いだろ?
    必要以上の黒字なんだからさっさと出来るだろ?

  2. いや、ATO導入しないの、地上区間が多くて雨で摩擦係数が小さくなるとブレーキかかりにくくなるからっていうのもあるんですけど
    地上でもATOが利用できるように新交通システムではゴムタイヤを採用して摩擦係数上げているわけで…
    やっぱり草町さんは二歩足りないわー

  3. 電車の問題ではなく、DQNに免許をホイホイ与える政商拡大の弊害