米英艦艇を次々粉砕! フランス製「エグゾセ」が空対艦ミサイルの代名詞となったワケ

実戦の舞台は南大西洋フォークランド(マルビナス)諸島

 1982(昭和57)年、アルゼンチンはイギリスが実効支配するフォークランド諸島の領有権を主張し突如侵攻、これを占領します。そしてイギリス側が奪還に動き「フォークランド戦争」が勃発します。

 5月4日、アルゼンチン海軍はフォークランド諸島に接近するイギリス艦隊を攻撃するため、「エグゾセ」を1発ずつ搭載したフランス製ジェット戦闘攻撃機「シュペルエタンダール」2機を出撃させます。これらから2発、発射された「エグゾセ」のうち1発が、イギリス海軍の新鋭ミサイル駆逐艦「シェフィールド」に命中、弾頭は不発だったものの大規模な火災が発生し、これを撃沈することに成功しました。

 さらに5月25日には、同じく2機の「シュペルエタンダール」から発射された2発の「エグゾセ」が、艦隊防空戦闘機「シーハリアー」やヘリコプターを輸送していたコンテナ船「アトランティックコンベイアー」を直撃し、やはり撃沈します。

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アルゼンチン海軍のダッソー「シュペルエタンダール」攻撃機。本土からフォークランド諸島へ進出するには空中給油が必要だった(画像:アルゼンチン海軍)。

 突如、戦争報道に現れるようになった「エグゾセ」という言葉は、全てのイギリス人を恐怖させました。イギリス人にとって不幸中の幸いだったのが、偶然にも空母が「エグゾセ」にレーダーロックオンされなかったことと、アルゼンチンが取得できた「シュペルエタンダール」は5機、そして「エグゾセ」もたった5発であったということです。

 アルゼンチンはイギリスの本気度を甘く見ていたため反撃を予期しておらず、準備を怠っていました。もしアルゼンチンが十分な「シュペルエタンダール」と「エグゾセ」を持っていたならば、イギリス軍の損害がこの程度では済まなかったであろうことはほぼ間違いなく、同海軍の空母も危うかったかもしれません。

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コメント

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1件のコメント

  1. 「のりものニュース」のネタじゃない。ミサイルには乗れない。