見覚えある色使い…異形の飛行機、エアバス「スーパーグッピー」と日本のほのかな縁
原型機はB-29爆撃機、機体色はかつて日本の空でしのぎを削った航空3社の一角そのもの……見た目の異形さで知られる「スーパーグッピー」ですが、フランスの現存機は、直接には皆無ながらもほのかに日本と縁のある機体でした。
異形の系譜は「シロイルカ」へ
TDAの飛行機がレインボーカラーになったことを受け、エアバス社のデモ機はデザインを一新しましたが、「スーパーグッピー」は引退までこのカラーのまま飛び続けました。そしてご存知のように、TDAはJAS(日本エアシステム)に社名を変更、さらにJAL(日本航空)と統合し、やがてレインボーカラーは姿を消します。日本の航空会社が採用したカラーデザインの航空機がここフランスに残っているのは、こうした経緯があるのです。
このように、間接的に日本とも関わりのあった「スーパーグッピー」でしたが、1990年代に入ると老朽化と輸送力の不足が顕著となり、A300-600ST「ベルーガ」に順次置き換えられていきました。さらにその「ベルーガ」も、より大型の「ベルーガXL」に更新されることが決まっています。
「ベルーガXL」は2019年6月時点で1号機が飛行試験中、2号機も間もなくテスト飛行に入ると見られます。
【了】
「スーパーグッピー」の貨物扉機首側。断面にも異形さが見てとれる(板倉秀典撮影)。
Writer: 板倉秀典(コピーライター/カメラマン)
WEB広告や新聞記事広告、企業パンフレットなど広告のライティングと撮影をメインに、ビジネス書なども執筆。得意分野は金融、不動産。乗りもの全般にも興味があり、実名では月刊誌『航空情報』や旅行系ニュースサイトなどで航空、鉄道関係の執筆も行っている。
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