中国の新幹線「高鉄」に初めて乗ってみた 予約せずに一苦労、乗れば日本とほぼ同じ?
広い広い待合室で改札が始まるのを待つ
発車までは残り1時間ほど。鉄道趣味者としては駅舎の写真を押さえたく、いったん屋外に出ようと考えました。しかし「出るのは簡単、入るのが大変」なのが中国です。駅舎に入るためには手荷物のX線検査とボディチェックを受ける必要があります。うろついていても怒られはしないものの、安全検査を受けるのが面倒になったので待合室でおとなしく過ごすことにしました。
これ、待合“室”なのか? 向かった先にはとてつもなく広いスペースがありました。見渡す限り人、人、人……。そしてそれに見合うだけのたくさんのベンチ。待合室というよりも「体育館」「アリーナ」といったほうが分かりやすいと思います。この待合室は下にあるホームとつながっており、なおかつ改札は列車ごとに決まっているため、皆ここで待ち時間を過ごしているようです。駅舎内の温度は快適で、空調管理が適切になされている印象を受けました。
私は売店で飲み物を購入したり、トイレに行ったり……そして探検に時間を費やしました。トイレでは、鍵が掛かっていなかったドアを勢い良く開けると、かがんでいるおばちゃんを目撃してしまうという事態が発生し、大いにカルチャーショックを受けました。ちなみにトイレットペーパーは設置されていません。
いよいよお待ちかねの改札が始まります。ホームごとに設けられた自動改札機の前には長い列ができ、私も並びます。周りを見ていると、どうやら出しているのはきっぷではなく、身分証。ならばパスポートをと自動改札機の読み取り部にかざすものの、うんともすんとも反応しません。近くにいた係員にどうしたら良いか尋ねたところ、きっぷにはさみを入れ、通してくれました。中国の身分証がないと有人改札になるのですね。
天津駅行きの列車は北京南駅始発につき、すでにホームに入線していました。ほかの人はどんどん乗り込んでいきます。カメラを持ってうれしそうに列車の写真や駅名標を撮っているのは私ひとり。中国は日本のような鉄道ファンは少ないと聞きますが、身をもって実感しました。特にとがめられたわけでもなんでもありませんが、ちょっと恥ずかしかったです。発車が近付いてから乗り込んだのは、日本から来た鉄道ファン(私)と、ホーム中ほどに設けられた喫煙コーナーでたばこを吸っていた数人のお客さんだけでした。
入札は2018年まで切符を入れる自動改札でした。今、外国人は有人改札だけですね。中国人の身分証はIC カードになっていて、切符の情報が記録されているので自動改札が通れます。
車内販売は時々回ってきます。来ない場合は、座席にあるQRコードを読み込ませて、注文すれば自分の席まで届けてくれます。
次回は商務車に乗ってみてください。駅の待合室も別の部屋で豪華ですよ。