日韓GSOMIA失効、どうなる安全保障体制 弾道ミサイル、アジアの安定…今後の影響は?

韓国がGSOMIAこと「日韓秘密軍事情報保護協定」の破棄を日本へ通告したことは、当の韓国国内でも驚きの声が上がっているといいます。そもそもどのような取り決めで、今後、どのような影響が予想されるのでしょうか。

失効した、そのあとは?

 日本政府と防衛省は日韓秘密軍事情報保護協定の締結後、どのような情報を何回提供しあったのかを明らかにしていませんが、韓国メディアが報じたところによれば、韓国政府は29回の情報を交換したことを明らかにしています。

 29回の情報交換の中には、2017年9月3日に北朝鮮が行なった核実験に関する情報も含まれているようですが、交換された情報の大部分は、北朝鮮の弾道ミサイルの発射実験に関するものと見られており、韓国メディアの中央日報紙は、2019年5月以降に北朝鮮が行なった8回のミサイル発射実験のうち7回について、情報交換が行なわれたと報じています。

 日本と韓国、アメリカの3か国は2014年12月に、北朝鮮の弾道ミサイルや核兵器に関する情法を、アメリカを介して共有する「TISA(情報共有に関する取り決め)」を締結しています。8月23日付の毎日新聞は、日本政府が日韓秘密軍事情報保護協定の締結にともない事実上停止状態となっていたTISAの再開を、韓国、アメリカに働きかけると報じています。このように、今回の日韓秘密軍事情報保護協定の破棄により、北朝鮮の弾道ミサイルや核兵器に関する日韓両国の情報共有が完全に不可能になったというわけではありませんし、軍事的な交流が消滅したわけでもありません。

 ただ、TISAの復活により、アメリカを介して韓国が得た情報を共有できたとしても、日韓両国が直接情報を共有する場合に比べて、情報の伝達に時間がかかります。

 現在の日本は、海上自衛隊のイージス戦闘システムとSM-3ミサイルを搭載するミサイル護衛艦と、航空自衛隊のPAC-3ミサイルの、二段構えの弾道ミサイル防衛体制を構築していますが、地理的に韓国の方がキャッチしやすい、低軌道で発射された弾道ミサイルの発射地点などの情報を韓国から直接、迅速に入手できたほうが、迎撃に成功する可能性が高くなることは間違いありません。

【写真】北朝鮮のミサイル、この「イスカンデル」が原型か?

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