北京地下鉄に初めて乗ってみた 空港から市街へ…日本とほぼ同じも、駅の出入りに苦労

歩道へどう渡る? 地上に出て困惑

 車内では自動で次の駅の案内が流れます。中国語と英語の2か国語ですが、路線名や駅名はどちらも「漢字の中国語読み」のまま。そんなわけで私は現在地の把握を、ドア上部のLED表示に頼る羽目になりました。つまり、車内の中ほどに行くとLEDが見えなくなり、現在地が分かりづらくため、ドア付近から離れられなかったということです。ぎゅうぎゅうになるほどの混雑でなかったので助かりました。

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車道と車道のあいだにある長椿街駅の出入口(2019年7月、蜂谷あす美撮影)。

 こうして、不便はあまり感じることなく宣武門駅まで移動。出口は東西南北に設けられており、案内に従えば良いだけなので簡単でした。――などと、結構ここまではお気楽にやって来られたのですが、大変なのは地上に出てから。出入口が車道の上に、島のように設けられており、歩道に向かためには車道を横断する必要があったのです。クルマの往来は頻繁。しかも運転はなかなか荒っぽく、恐れをなした私は「どうやって渡ればいいのか」と動けなくなりました。結局、ほかの人が渡るタイミングで一緒に渡ることで事なきを得ました(以降、すべてこの作戦でいくことに)。ちなみにこれは、別のときに利用した宣武門駅のお隣、長椿街駅も同様でした。

 また、出入口の設置場所と同じくらい厄介な点がもうひとつありました。それは改札入場前にX線検査があること。日本でも空港ではX線検査とボディチェックがありますが、北京は、これが地下鉄の全駅にあるのです。そのため、北京南駅などのターミナル駅の改札前には長い列ができていました。混雑する駅だと、ホームで列車を待つよりも、改札を入る前の手荷物検査の順番待ちで時間がかかります。地下鉄に乗るためには、並ぶよりほかはないのです。

 ちなみに旅行中に利用したICカードは、北京市内の地下鉄や路線バスで利用できるのですが、運賃が地下鉄初乗り3元(約45円)、バス初乗り2元(約30円)といったように日本に比べてかなり安いため、3日間北京に滞在し、たくさん乗り回したつもりでも、チャージ金額の半分も使うことができていません。今回の地下鉄乗車体験で唯一後悔したのは「100元はチャージしすぎだった」ということです。

【了】

【写真】空港から市外へ、北京地下鉄の旅!

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Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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コメント

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2件のコメント

  1. 北京地下鉄機場線って、日本の誇るリニア地下鉄採用じゃなかったっけか?
    あと、2号線はかなり早期にできた地下鉄だから、出入り口構造が変になっているのかも。他の都市・路線ではあまり見受けられない気がする。

  2. 帰るときにICカードを払い戻しすれば残金とデポジットを返してくれるよ。