東京メトロ銀座駅に姿を現した「戦跡」 空襲で破壊されたトンネルをどう復旧したのか
リニューアル工事が進む東京メトロ銀座線の銀座駅ホームで、太平洋戦争時に受けた爆撃の「痕跡」が姿を現しました。被害が生じた部分はホームから見ることが可能。ただし、今後ずっと見られるかどうかは分かりません。
リニューアル工事で「露出」
東京メトロ銀座線の銀座駅(東京都中央区)に、いまも太平洋戦争時に爆撃を受けた痕跡が残っています。
この痕跡、従来は化粧パネルで覆われ、ホームからは見られませんでした。しかし2019年1月14日(月)に現地を訪ねてみたところ、化粧パネルが撤去され、数十年ぶりに痕跡があらわになっていました。
東京メトロは2012(平成24)年、開業から90年近く経過していた銀座線のリニューアル計画を発表。「伝統の継承」などをコンセプトとし、各駅のリニューアル工事を順次進めています。化粧パネルが撤去されたのは、このリニューアル工事のためです。
太平洋戦争が終わりに近付いていた74年前の1945(昭和20)年1月27日、米軍は東京都心を標的とした初めての爆撃「銀座空襲」を行いました。投下された爆弾のひとつは、銀座四丁目交差点に落下。銀座線の銀座駅に通じている現在のA2出入口の真横に着弾し、出入口は破壊され、すぐ近くの鳩居堂ビルは炎に包まれました。
東京メトロの前身である営団地下鉄の報告書によると、爆弾はトンネル上部に到達して爆発。浅草行き電車が通る線路の新橋寄りにある鉄骨鉄筋コンクリートの上部に3mほどの大穴が空き、鉄骨の桁が折損しました。さらに爆発で破壊された水道管から大量の水が流入し、線路が水没したのです。このため銀座線は3月9日まで被災箇所を避け、変則的な折り返し運転を行いました。
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