空港の「テーマパーク化」なぜ起こった? 「元祖」に聞く
日本の空港では、フードコートやテーマパーク的な要素を取り入れるのがトレンド。その“元祖”と話す中部国際空港に、その狙いを聞きました。利用者から見ると楽しいこの風潮ですが、空港側の狙いは、それだけではないようです。
新路線を誘致するための「テーマパーク空港」
日本の空港ではいま、巨大なフードコートを設ける、店舗エリアにレトロな雰囲気を取り入れるなど、「テーマパーク」的な要素を取り入れるのがトレンドになっています。
この“元祖”と話すのが、2005(平成17)年に開港した中部空港(セントレア)。当初からターミナル内に、多くの飲食店が並ぶフードテーマパークや展望風呂を設置。展望デッキも「日本で一番近くに飛行機を感じられる」といい、先端部は滑走路から300mの場所にあります。
中部空港は一部、飛行機を利用しない人でも楽しめる「テーマパーク」のようなつくりとなっていますが、目的は、ただ利用者を楽しませるためだけではないようです。
「開港当初から館内施設を充実させたのは、『非航空系事業』で売上を上げることで、着陸料を下げることを狙っています。このことで、収益を上げつつ、新路線を誘致するシステムです」(中部国際空港 広報部)
2008(平成20)年における1機あたりの着陸料は、成田空港77万円、関西空港83万円、羽田空港95万円であったところ、中部空港は66万円と、ほかの空港よりも低く抑えられています(すべてボーイング747-400型機で3時間停留した場合)。
アメリカに買わされた787