上野公園の地下に眠る「博物館動物園駅」 その数奇な運命とは? 駅舎内で作品展も

御料地での建設には様々な難題が…

 世伝御料地を通る許可は何とかおりたものの、建設には様々な難題がふりかかります。ルート内の樹木、とくに桜の根を傷つけてはならないことまで言い渡されました。

 そのための措置が、地下鉄道とすること。それも地表面にあまり影響をおよぼさない非開削工法で行うことです。半径120メートルという現在でも京成本線で最も急なカーブも、博物館動物園駅付近で設けざるをえませんでした。

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博物館動物園駅の駅舎入口付近。ドーム型天井の下にカスティーリョによるブロンズ製の木の枝(作品名『テューター』)が展示されている(2019年10月17日、内田宗治撮影)。

 当時の地下鉄道建設には2通りの工法がありました。地表から下へと穴を掘り、その中に線路を敷いてその上を埋め戻すという開削工法と、山間部にトンネルを掘るのと同じ非開削工法です。

 京成上野駅付近から博物館動物園駅の上野寄りまでが、山間部と同じ非開削工法(馬蹄形隧道)で造ることになりました。

 ここで掘るのは地表から浅い所、上部(土被り)3メートル程度しかない所です。いっぺんに掘ると上部が崩れてしまうので、断面をいくつかに区切り、小断面ごとに掘り進め周囲を固定させていくという緻密な工程が必要となります。

 しかも、急曲線を伴いながら両側から掘ってきたトンネルを接合部でぴったり合わせなければなりません。このため同じ測量を20回も繰り返して行ったといいます。

 博物館動物園駅舎は石造りのように見えますが、鉄筋コンクリート造りの躯体に御影石とテラコッタ(素焼きの陶器)で装飾した造りです。これは御料地に立つことを考慮したためです。

 ホームの長さは60メートル。3両編成の電車を想定し、後年4両編成の電車運行の際は、幅の細いホームを延長して設置し停めていました。

【写真】廃止時の姿のまま残る、博物館動物園駅の切符売り場

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コメント

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6件のコメント

  1. 動物館になってます

    • 誤り訂正様

      平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。乗りものニュース編集部です。
      このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。修正いたしました。
      これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

    • タグが動物館のままです。確認を

    • 誤り訂正様

      平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。乗りものニュース編集部です。
      度重なるご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      タグのほうも修正いたしました。
      これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

  2. その名は「博物館動物館」駅。
    出だし1行目からメインの名前が間違っていませんか!??

    • 匿名希望様

      平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。乗りものニュース編集部です。
      このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。修正いたしました。
      これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。