「横断歩道の斜め横断」は危険で高リスク 事故時、歩行者の過失割合が高くなることも
「横断歩道付近」の事故、なぜ歩行者の過失が重くなるのか?
――なぜ「横断歩道付近」のほうが、そこから離れた場所での事故より歩行者の過失が重くなるのでしょうか?
「歩行者は横断歩道がある場所の近辺においては、その横断歩道によって道路を横断しなければならない」と法律で規定されています。歩行者は横断歩道上を横断しているときには、法律上の強い保護を受けるのに対し、横断歩道が付近にあるにもかかわらず、これによらない横断の場合には、歩行者にも一定の注意義務が課され、過失として問われる可能性があるでしょう。
また、斜めに道路を横断することは道路交通法上も禁止されていますし、歩行者の横断距離が増えること、運転者が歩行者の行動を予測し対応することが難しくなることから、「斜め横断」は危険度を増す行為といえます。
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日が短い10月から12月にかけては、1年で最も事故の多い時期で、いわゆる薄暮時間帯における横断中の事故が増えます。警察庁がまとめた2017年までの5年間の統計では、この薄暮時間帯における自動車対歩行者の死亡事故のうち、「横断歩道以外」での事故は約7割、「横断歩道付近(横断歩道の側端からおおむね30m)」での事故は約1割を占めるとのこと。このような横断は「乱横断」とも呼ばれ、特に近年、高齢者で増えていることから、警察も指導や警告を強化している状況です。
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