世界で最も醜い航空機 フェアリー「ガネット」 なぜこんな外見に…そのワケとは

搭載する空母の退役とともに運用も終了

 見た目はともあれ、その性能はイギリス海軍の要求を上回っていたため、改良が加えられながら、1955(昭和30)年の運用開始から20年以上にわたって現役で運用されました。

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1950年代後半、イギリス空母アークロイヤルの艦上に並んだ各種艦載機。手前左右の6機が「ガネット」対潜哨戒機(画像:イギリス海軍)。

「ガネット」は1978(昭和53)年に運用終了となりましたが、これは国防予算の不足から、イギリス海軍が大型の正規空母を廃止したあおりを受けたためで、いわば強制的に運用終了となったものであり、仮に海軍が正規空母を廃止しなければもう少し長生きしていた可能性はあります。

 この結果、「ガネット」は軽空母での運用が可能な「ハリアー」垂直離着陸戦闘機を除くと、最後のイギリス製固定翼艦載機となりました。なお同機は輸出にも成功し、オーストラリアとドイツが採用したほか、インドネシアが中古機を導入しており、生産数はトータルで約350機を数えました。

 この運用期間と生産数を見ると、性能は決して悪くなかったといえるでしょう。見栄えが悪くとも性能が高ければ軍用機の場合は採用され、使われ続けます。もしかすると、イギリス人があえて「ガネット」を「世界一醜い」と揶揄するのは、愛情の裏返しなのかもしれませんね。

【了】

【写真】下っ腹が大きく出たシシャモみたいな「ガネット」

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

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2件のコメント

  1. 紅茶キマってんなぁ

  2. 工業製品の外観デザインとしては ほんま 不細工ですよね(-_-;) しかし 嫌いではないです 模型 作ってみたいですね(^ω^)