Uボートも撃沈した豪華客船「タイタニック」姉妹船 その2隻がたどった数奇な運命とは

軍務中にはUボートをも撃破!

「オリンピック」も「ブリタニック」同様、第1次世界大戦時にはイギリス海軍に徴用され、輸送船となりました。そして軍務に就いていた1918(大正7)年5月にドイツ潜水艦、いわゆる「Uボート」から攻撃を受けます。「オリンピック」はこの雷撃を回避すると、その巨大な船体を潜水艦へと突っ込ませ、体当たり攻撃を行ったのです。潜水艦は、潜行装置を破壊され、そのまま沈没しました。この行動には賛否ありましたが、当時の「オリンピック」の船長はアメリカ政府より勲章を贈られるに至っています。

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オリンピック級1番船「オリンピック」の処女航海にて、ニューヨークへ初入港時のものとされる写真。

「オリンピック」はその後、沈没することなく第1次世界大戦を乗り切りました。戦後に点検を受けた際、船体下には魚雷の激突した跡が見つかったといいます。それは不発弾で、もしこれらが爆発していたら「オリンピック」は沈没していたことでしょう。つくづく運のよい船です。

 その後は再び豪華客船として就役し、1935(昭和10)年に引退しました。

 そのまま解体されるはずでしたが、贅を尽くした内装の一部はオークションにかけられ、イギリス人が屋敷の内装とし、さらにその後もレストランの内装などに利用されました。2019年現在も、航海図などが残されているといいます。

 短命に終わった悲劇の客船「タイタニック」と「ブリタニック」、そしてその2隻の分まで活躍した1番艦「オリンピック」。「タイタニック」のみが突出して注目されていますが、その姉妹の運命も大変数奇なものであったといえるでしょう。

【了】

【写真】映画のラストシーンが目に浮かぶ「大階段」

Writer: 凪破真名(歴史ライター・編集)

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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