暫定2車線高速のワイヤーロープに課題 死亡事故減少も接触事故・通行止め増 対策は?

高速道路で対面通行となる暫定2車線区間の安全対策として、中央分離帯へのワイヤーロープ設置が進行中。反対車線への飛び出しや重大事故の防止に効果を上げる一方、事故や通行止めが設置前より増加傾向です。対策はあるのでしょうか。

死亡事故7件がゼロに しかし課題も

 高速道路で対面通行となる暫定2車線区間の安全対策として、中央分離帯へのワイヤーロープ設置が国主導で進められています。2019年4月までに設置された区間(全国およそ180km)では、設置前の2016年に対向車線への飛び出し事故が71件発生していたのが、設置後は4件まで減少。死亡事故は同7件がゼロになるなど、大きな効果を上げています。

 とはいえ、設置区間では新たな課題も浮上しています。ワイヤーロープへの接触により事故件数が増え、通行止めの回数やその時間も、以前より増加傾向にあるのです。

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暫定2車線の高速道路に設置されたワイヤーロープの例(画像:国土交通省)。

 2019年8月にワイヤーロープの設置が完了した秋田県内の日本海東北道 仁賀保IC~岩城IC間(約17.6km)でも、8月から10月の3か月間で通行止めをともなう事故が11件発生し、前年同期から4件増えています。このため、同区間を管理する国土交通省 秋田河川国道事務所は2019年11月19日(火)、秋田県警や周辺の消防本部とともに、ワイヤーロープへの接触事故を想定した合同訓練を実施しました。

「事故車両が車線を塞ぎ、大渋滞が発生することも想定されます。このため、事故区間の手前でワイヤーロープを一時的に撤去して反対車線へ入れるようにし、片側の1車線で交互に通行させる訓練のほか、救急車の現場までの進入方法などを関係機関と確認しました」(秋田河川国道事務所)

 秋田河川国道事務所によると、ワイヤーロープ設置後、1事故あたりの平均通行止め時間は約3時間とのこと。今回の訓練は、降雪期を迎えるにあたり、事故の増加も予想されることから、迅速な事故対応と通行止め時間の短縮を図るために実施したそうです。

【グラフ】事故通行止め回数 ワイヤーロープ設置前と設置後でこれだけ変化

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2件のコメント

  1. その件数分、対向車の運転手が守られたのに、なにYahooニュース向けの煽り記事書いちゃってるの?

  2. 暫定2車線を完成4車線にするのが一番の対策だと思う。
    暫定2車線道路は「高速道路」と呼びたくない。