東京23区屈指の閑散駅「上中里」には何があるのか?京浜東北線が1日500本以上停車も…
上中里駅の東側には車両基地がふたつも
跨線橋から地上に降り立つと、目の前にはコンビニがあり、周囲には住宅街が広がっているように見えます。しかしその住宅地を東へ150mほど進んでいくと、広大な鉄道用地が現れます。「尾久車両センター」と呼ばれる一大車両基地です。
この住宅地は、言ってしまえば車両基地と車両基地に挟まれた“中州”のようなエリアです。上中里駅の乗車人員が少ない大きな理由として、近隣にこうした車両基地が存在するため、駅周辺の人口が少ないことがあると考えられます。
また、駅の西側に東京メトロ南北線の西ケ原駅、尾久車両センターを挟んだ向こう側に東北本線の尾久駅があり、利用者が分散していることも、上中里駅の乗車人員が少ないことの一因といえるかもしれません。
ちなみに西ケ原駅は、東京メトロで最も乗降人員が少ない駅(2018年度)、尾久駅は東京23区では上中里駅に次いで乗車人員が少ないJR駅です。上中里駅から尾久駅へは歩いて15分ほど。尾久車両センターを潜る、長さ約180mの地下道を利用するとたどり着けます。新幹線車両基地の上を跨線橋で渡る上中里駅とは対照的なつくりになっている点も面白いところです。
【了】
Writer: 河嶌太郎(ジャーナリスト)
1984年生まれ。千葉県市川市出身。『週刊朝日』『AERA』などの雑誌のほか、「Yahoo!ニュース個人」「AERA dot.」「DANRO」「ITmedia」などのウェブで執筆。アニメを用いた地域振興からゲーム、IT、鉄道など幅広い分野を扱う。国内の鉄道路線の乗り潰しが趣味だが、災害による不通路線を残したまま数年が経過中。
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