2019年の鉄道 注目したい「計画運休の定着」 流行語にも選出 変化した災害時の意識
「新語・流行語大賞」でも取り上げられた「計画運休」。悪天候などを理由に、鉄道会社が列車の運休を予告して実施するものです。2019年、列島を襲った2度の台風でその取り組みは定着しましたが、周知のタイミングなど課題も残りました。
「計画運休」首都圏は2度の台風が契機に
12月2日(月)に発表された2019年の「新語・流行語大賞」で、トップテンに「計画運休」が選ばれました。1984(昭和59)年に始まったこの賞で、鉄道関連の用語が選ばれたのは、1987(昭和62)年の「JR」、2011(平成23)年の「帰宅難民」以来、3回目のことでした。
それほどに社会的関心を集めた「計画運休」は、鉄道の2019年を振り返るにあたって、外すことのできない大きな出来事だったと言えるでしょう。
もっとも、計画運休は決して「新語」というわけではありません。JR西日本は2014(平成26)年から計画運休を行っていますし、首都圏でも2018年の台風24号接近時に初めて計画運休が実施され、運転再開時の混乱が話題になりました。
ただ、計画運休が一般の人々に広く周知され定着したという意味で、2019年の「流行語」だったことは間違いないでしょう。首都圏の人々に計画運休の重要性を知らしめたのは、2度の台風上陸でした。
2019年9月9日(月)早朝に千葉市に上陸した台風15号は、関東に上陸した台風としては過去最強クラスとなる、中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速40m/sの勢力を維持したまま関東地方を直撃しました。台風の接近、上陸により関東地方では猛烈な風が吹き、千葉市では最大瞬間風速57.5m/sを観測するなど、各地で観測史上最強の暴風を記録。住宅被害は千葉県を中心に7万戸を超え、送電搭の倒壊などで神奈川県と千葉県を中心に93万戸が停電しました。
JR東日本は、2018年の台風24号以来の計画運休を決定し、私鉄や地下鉄でも多くの路線が9日始発から運転を見合わせました。千葉県内ではJR総武線、内房線、外房線などが終日運転を見合わせ、特に久留里線は台風により、一部区間が10月11日まで運休となるなど大きな被害が出ました。
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