成田空港LCCバス統合 競合から連携へ大転換 何があった? 現場から自然発生の提案とは

「リムジンバス」「LCCバス」すみ分け可能?

 現在のところ、格安運賃を売りにするバス路線は当路線のほか、東京駅と有楽町駅のあいだにある鍛冶橋駐車場を発着する「有楽町シャトル」と、大崎駅発着の「成田シャトル」だけです。なお「有楽町シャトル」は「東京シャトル」「THEアクセス成田」とともに統合され「エアポートバス東京・成田」へ名称が変わります。

 一方のリムジンバスは、新宿や横浜などの主要駅のほか、都内のホテル、郊外の住宅地へ充実した路線網を築いています。海外からの出張ビジネスパーソンは、交通やホテルを選ぶ際に十分な費用をかける傾向が強いことから、高級ホテルやオフィスビルへの直通需要は減らないと考えられます。また郊外路線は、京王や東急といったリムジンバスの共同運行事業者が、大手私鉄系ならではの沿線における販売力で、引き続き認知度を向上させています。その意味で、格安路線とリムジンバスは住み分けが可能です。

 ただし、格安路線が新たに増加するようなことがあれば、状況は一変するでしょう。車両設備や接客といった高いサービスレベルと、運賃のバランスのとり方について、東京空港交通やその共同運行会社は、いまのうちに研究を進める必要があるかもしれません。

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大崎駅西口バスターミナルに停まる「成田シャトル」。ウィラーエクスプレスと京成グループが共同運行(2016年10月、中島洋平撮影)。

「東京シャトル」「THEアクセス成田」のスタート直後、筆者(成定竜一:高速バスマーケティング研究所代表)は、ある運行事業者の当時の経営者から「これまで、自分たちから乗客を『獲りに行く』と考えたことはなかったが、積極的に集客するという経験をした。あなたが言っていることが少しわかった」と述懐されたことがあります。高速バスの分野に一定の競争原理を導入し、運賃制度を柔軟にすることで、民間事業者の活力をより引き出すことができると国の会議などで主張してきた筆者にとっては、光栄に感じるひと言でした。その後、約7年間の激しい競争に費やした労力やコストを、決して無駄にすることなく、そこで得た気づきを全国の事業者も積極的に学び、活用することが求められています。

【了】

【地図】成田空港行きバス 東京都心部のおもな発着地

Writer: 成定竜一(高速バスマーケティング研究所代表)

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。

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コメント

1件のコメント

  1. 片道500円なんて運賃設定したら運転手の給料払えるの?実現しなくてよかったよ。
    1000円でも安すぎるくらいなのに。