「ミグ」の名を世に知らしめたMiG-15戦闘機の「衝撃」 朝鮮戦争でF-86と激突

朝鮮戦争では史上初のジェット戦闘機同士による戦闘が発生、そこで実戦投入されたMiG-15戦闘機の性能にアメリカはじめ西側諸国は恐怖します。「ミグ」の名を世に知らしめた同機とライバル機F-86の激突は数百回に及びました。

MiG-15とF-86は結局どちらが強かった?

 MiG-15とF-86が旧来機より飛びぬけて強い理由は、どちらも第2次世界大戦前には発明されていた、「後退翼」と呼ばれる民生技術を軍事転用した点にありました。後退翼とは、主翼を尾部側に向けて斜めに取り付けた「後退角」を持った翼型であり、800km/hから900km/h以上において抵抗を大きく軽減させる効果を持ちます。結果、どちらも最大速度1100km/h弱を誇り、F-86に至っては急降下で音速に達することができました。

 どちらが強いかは議論が分かれるところですが、MiG-15はひと回り小型であり飛行性能面ではほぼ上回っています。一方F-86は機体が大きいぶん燃料搭載量が多く、さらに急旋回時の負担を軽減する耐Gスーツや、レーダー測距照準器を搭載するなど、飛行性能以外の面に優れていました。

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MiG-15などに使われたロールスロイス「ニーン」ターボジェットエンジン。イギリスは「友情の印」としてソ連へ譲渡し後に後悔することとなった(関 賢太郎撮影)。

 なおMiG-15のエンジンは、イギリスのロールスロイス「ニーン」エンジンのコピー品でした。「ニーン」エンジンはアメリカ海軍のグラマンF9F「パンサー」戦闘機、イギリス海軍のスーパーマリン「アタッカー」戦闘機などにも搭載されていましたが、両機ともMiG-15の高性能には全くおよびませんでした。F9Fや「アタッカー」の開発者たちは、ミグ設計局の高い技術力に驚くと同時に、同じエンジンで負けてしまった事実が悔しかったに違いありません。

 MiG-15の活躍によって以降、「ミグ」の名はソ連戦闘機の代名詞ともなりました。2019年現在はスホーイなど、ほかの航空機メーカーと統合されており、ユナイテッドエアクラフト社の戦闘機部門子会社としてブランド名が存続しています。

【写真】「ミグ」といえばMiG-21戦闘機

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

1件のコメント

  1. 面白い。キルレシオが書いてあれば尚良かった。

    太平洋戦争に関する記事に関しては愛国奴の批判コメが多いけど朝鮮戦争は誰もいねえな

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