湾岸戦争で艦砲斉射 「ミズーリ」などWW2世代アイオワ級戦艦 1980年代現役復帰のワケ
第2次世界大戦期に建造された日本の最新戦艦といえば大和型ですが、アメリカ海軍ではアイオワ級がそれに当たります。実はこのアイオワ級戦艦、20世紀末の湾岸戦争でも、地上施設攻撃などに投入されました。
アイオワ級戦艦 就役から半世紀後に「トマホーク」発射
2020年は新春早々、イランを中心とした国際的緊張や、カルロス・ゴーン被告が無断でレバノンに出国するなど、立て続けに中東地域の話題がクローズアップされています。1991(平成3)年も新春早々、同様にこの中東地域が大きく注目されました。1月17日に起きた湾岸戦争です。
「湾岸戦争」は、クウェートに侵攻したイラクに向けて、アメリカを中心とした多国籍軍が空爆をしたことで始まりましたが、このとき注目されたのが、自律飛行して目標物を破壊する巡航ミサイルです。
実はこのミサイルを、日本の旧海軍が建造した戦艦「大和」と同じく、第2次世界大戦中に運用されていたアメリカ海軍のアイオワ級戦艦が発射していました。もちろん改修されていたとはいえ、この時点で骨董品のような艦です。なぜこの時代にアイオワ級戦艦が最前線へ投入されたのでしょうか。
アメリカ海軍の「アイオワ級戦艦」は、日本海軍がワシントン海軍軍縮条約を脱退後に新型戦艦(大和型)を建造しているという情報を受け、それに対抗すべく計画された戦艦で、第2次世界大戦中の1943(昭和18)年から1944(昭和19)年にかけて「アイオワ」「ニュージャージー」「ミズーリ」「ウィスコンシン」の4隻が就役しました。アメリカ海軍としても「戦艦」という艦種においては現状、最後に建造した艦船です。
ミリタリー誌などでは大和型と性能が比較されることがあるのですが、どの比較でもおおむね、空母に随伴できる速力に関しては、大和型にはない性能として評価されています。ほかに特徴的な点をあげるとすれば、アメリカ海軍で運用するという関係上、大西洋と太平洋どちらでも活動できるようにと、パナマ運河を通れる全長、全幅になっているところでしょうか。
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