湾岸戦争で艦砲斉射 「ミズーリ」などWW2世代アイオワ級戦艦 1980年代現役復帰のワケ

ソ連崩壊と共に世界中から「戦艦」はなくなった

 80年代に続々と再就役したアイオワ級の4隻ですが、ソ連相手ではなく、紛争が頻発する中東地域がおもな任地となります。

 前記した湾岸戦争勃発時は「ウィスコンシン」と「ミズーリ」がトマホークミサイル発射のほかに、沿岸施設への主砲斉射も行いました。これほど大規模な主砲斉射はベトナム戦争以来で、その発射管制システムは、第2次世界大戦時代のままだったそうです。大和型の実物が動いていた時代のシステムで十分威力を発揮するというあたりに、戦艦の火力のすさまじさを感じます。

 ただ、第2次世界大戦以来、アメリカ海軍史上の重要な戦いに参加したアイオワ級の軍歴も、この湾岸戦争で終わりとなります。同年12月にソビエト連邦が崩壊して、大きな脅威が去ったためです。

 大火力の火砲とトマホークを併用すれば、広範囲を高い火力で攻撃できるとう利点もありましたが、膨大な運用コストと、老朽化による整備の問題はどうにもしきれず、最後まで残っていた「ミズーリ」も1992(平成4)年3月に退役し、これにより、世界中の海軍で戦艦を運用している国はなくなりました。

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戦艦「ミズーリ」は2020年現在、ハワイの真珠湾で記念館として一般公開されている(画像:アメリカ海軍)

 なお、このアイオワ級のなかで日本において有名な艦といえば、ダントツで「ミズーリ」ではないでしょうか。1945(昭和20)年9月2日に、日本政府の降伏文書調印式の舞台になった艦でもあります。

 また、俳優のスティーヴン・セガールが最強のコック、ケーシー・ライバックを演じて、艦内でテロリスト相手に大立ち回りをする映画『沈黙の戦艦』も、同艦が舞台でした。2012(平成24)年の映画『バトルシップ』では、「ミズーリ」が海上自衛隊と共同で地球外生命体と戦ったほか、数々の映画に出演を果たしています。

【了】

【写真】「トマホーク」を発射する戦艦「ミズーリ」

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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