海自 音響測定艦「あき」進水 世界的レア艦種 潜水艦や護衛艦の活動に超重要な理由
音響測定艦の性能と任務は軍事機密
艦船ごとの音の違いは、人間の指紋にたとえて「音紋」と呼びます。音紋を収集するために、ひびき型音響測定艦は日本の周辺海域を動き回っています。
その際に、自艦のエンジン音がうるさくては任務に支障が出ます。そこで、ひびき型は主機関であるディーゼルエンジンを喫水線の上の高い場所に配置し、そのエンジンで発電機を回し、発生した電気でスクリュー直結のモーター(電動機)を動かしています。こうすることで、水中にエンジン音が響かないようにしているのです。
音紋を収集するための「武器」は、艦尾から垂らす長大な曳航ソナーです。ソナー自身の長さは約800mもあり、さらにこれを曳航するためのケーブルは最大2000mあります。これだけ長いのは、自艦の推進音の影響を最大限減らすためで、できる限り離した方が良いからです。
曳航ソナーは数百km以上の探知能力を持っているそうですが、その性能は秘密で、任務の詳細も不明と、潜水艦やイージス艦以上に厚いベールで覆われています。
また、一度出港すると任務が長期化するため、居住性に配慮されており、船体後部には物資の補給や輸送、急病人の搬送のためにヘリコプター発着用の飛行甲板が設置されています。一方で戦闘艦艇ではないため、武器は装備していません。
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