外径14m リニア中央新幹線のトンネル掘削マシン完成 世界初の技術も採用 東京の地下へ
JR東海が、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事に使うシールドマシンを公開。リニア新幹線の車両をイメージした色に塗り分けられたマシンには、難工事を安全・確実に進められるよう、世界初の技術も取り入れられています。
シールドマシンはリニア新幹線の「北品川工区」で使用
JR東海は2027年の品川~名古屋間の開業に向け、リニア中央新幹線(以下、リニア新幹線)の建設を進めています。このうち、地下のトンネル工事に使うシールドマシンの1基目が完成し、2020年1月29日(水)、神戸市兵庫区内の工場で報道陣に公開されました。
今回完成したシールドマシンは、品川駅から東京都港区・品川区・大田区・世田谷区を通り、多摩川を過ぎた先、神奈川県川崎市中原区までの約9.2kmを担当する「北品川工区」で使用されるものです。
この区間を含む長さ約36.9kmの「第一首都圏トンネル」の沿線は、市街地化が高度に進んでおり、また首都高速中央環状線などが既に地下を走っているため、ほぼ全区間が地表面から40m以下の「大深度地下」にトンネルを建設することになっています。そこで、大深度地下ならではの固い地盤や高い地下水圧に対応し、また地上の建物に影響を与えないよう、シールド工法が採用されました。
北品川工区で使われるシールドマシンは、外径が14.04m、長さが14.53mという大きさです。東海道新幹線やリニア新幹線の車両をイメージし、ボディは白色、放射状に伸びる12本のカッターヘッドは青色に塗り分けられています。カッターヘッドには「ビット」と呼ばれる小さな出っ張りが約700個あります。シールド工法では、カッターヘッドがゆっくりと回転し、ビットが地山(地盤)を削り取ります。削り取った土を外に排出した後に、コンクリートでできた「セグメント」を円筒状に組み立てて壁面を補強。シールドマシンはこのセグメントにジャッキをかけ、踏ん張るようにしてさらに前進していきます。
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