「高速道路またぐ橋 自治体の広告媒体に」動き広がる なぜ民間広告でなく自治体なのか

橋の広告なぜ自治体のものばかり? 企業広告の難しさ

 このような高速道路上の横断幕は自治体のものばかりが目立ちますが、全国では、陸橋や歩道橋に企業の広告を掲示する事業も行われています。これらは「ネーミングライツ(命名権)事業」のひとつとして実施されており、多くの自治体で、年々かさんでいく道路の維持管理費を、広告費で補うことを目的としています。

 しかし、なかなか広告主が集まらなかったり、費用対効果が不明であることから、ネーミングライツ導入を見合わせたりする自治体も見られます。交通量の多い高速道路に架かる橋であれば、多くのドライバーの目につき、広告費も高く設定できるかもしれません。大和市や綾瀬市では橋のネーミングライツは行っていないといいますが、大阪府のネーミングライツ対象橋では、高速道路に架かる橋も少ないながら存在します。

「ネーミングライツはすべての橋でできるわけではありません。社会的影響も考慮しますし、橋桁(はしげた)に直接広告を貼り付けて掲示するのを原則としていますので、橋桁の幅が狭く断念せざるを得ないケースもあります。高速道路の陸橋だと高い位置に架かっているものも多いので、広告を掲示するのにも困難がともなうでしょう」(大阪府道路環境課)

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「神奈川のほぼ真ん中 綾瀬市」の横断幕(2017年3月、乗りものニュース編集部撮影)。

 取材した自治体からは、高速道路に架かる陸橋で民間の広告を掲出することについては、「NEXCOさんの手前、調整も難しいだろう」との声も聞かれました。

 ちなみに、高速道路上の陸橋ではNEXCOの工事や規制に関する案内などもしばしば掲げられますが、なかには、SAなどの集客を目的とした広告も存在します。東北道の津軽SA(青森県平川市)付近では、利用者が少ないことを逆手に取り、「混雑知らずの津軽SA」などと自虐的な横断幕が掲げられ、インターネット上で話題になったことがあります。今後もユニークな横断幕が登場するかもしれません。

【了】

【写真】企業広告が入った橋

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