「目立ちたがり爆撃機」なぜ生まれた? 水玉 ストライプ 市松模様 敵からは絶好の標的

第2次世界大戦期、ヨーロッパ戦線の大空には、いまでは考えられないほどのカラフルでド派手な塗装を施した、とても目立つ軍用機が飛んでいました。まさに目立つことこそが目的だったというその塗装、もちろん理由があります。

ド派手軍用機の目的は先導 遊び心も満載

「アッセンブリーシップ」とは、直訳すれば「組み立てる船」ですが、要はボックス(編隊)を組むための核となる船(機体)という意味です。密集編隊を組む際、基準になるものがあると、自機の位置を把握する一助になります。

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市松模様を全身に施したB-24「リベレーター」爆撃機(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 こうして生まれたカラフル先導機は、塗装方法に規定があるわけではなかったため、飛行隊によってそのデザインは異なっており、さまざまなものが見られました。水玉模様やストライプ、市松模様だけでなく、機体によっては機首に口や目を描いたものまでありました。

 用いられる機体は、銃座が撤去され、乗員もパイロット2名に、航法士、通信士、そして「フレアオペレーター」と呼ばれる乗員が1名から2名の、合計5名から6名でした。通常のB-17が9名、B-24が10名であることと比べると、銃座の要員ぶん少ないといえるでしょう。

 なお、「フレアオペレーター」というのは、味方機に位置を教えるため発煙弾を撃ったり、夜間などに位置視認用のライトを点灯したりするための要員です。

 基本的には、このカラフル先導機の役目は密集編隊を組むまでで、編隊が完成すれば、次の密集編隊を組む部隊のためにその集結ポイントへ向かうか、もしくは任務を終えて飛行場に帰投します。

 そのため、ドイツまで飛んでいくことはまずないのですが、なかには密集編隊に加わって、そのままドイツまで飛んでいった機体もありました。なぜそのようなことをしたのか真相は不明で、おそらく編隊を維持するためとは思われますが、ともあれドイツまで飛行し無事に帰還した「Spotted Ass Ape」号と呼ばれる機体が知られています。

 その後、レーダーや自動操縦装置の進歩によって、このようなカラフル先導機は必要なくなったため、第2次世界大戦後、ここまで派手な塗装機は現れていません。

【了】

【写真】ドイツから無事帰還 口や目を機首に描いたカラフル爆撃機

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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