旅客機の「自動操縦」なぜ「離陸」はないの? 巡航 そして着陸も自動化進む現代だが…

先端技術のかたまりともいえる現代の旅客機の多くは、自動操縦で巡航、そして着陸までこなせます。しかし、自動操縦での離陸はいまのところ、実用化されていません。エアバスと航空科学博物館に理由を聞いてみました。

離陸操作の難易度が「ハード」な理由 「自動着陸」技術的には可能?

 航空科学博物館は、離陸操作の難しさを次のように解説します。

「地上にいるときの飛行機は、他機と近くで絡む可能性が高いのです。たとえば出発前に着陸待ちの飛行機が滑走路に進入してくるなど、自分のすぐそばにいるたくさんの飛行機の動きを考慮にいれたうえ、自分も動かなければなりません」

 また同博物館によると、特に離陸は、乗客数、機体の重さ、燃料の搭載量、その日の気象といった条件がフライトごとに異なり、それらすべてを考慮したうえ、機長が自分の意思で離陸を続けるか続けないかを判断しなければならず、そうした理由から現状は「離陸していったん地上を離れるまでは手動で」というのが一般的なのだそうです。

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エアバスA350-1000型機。同モデルが「画像認識を用いた自動離陸」テストを担当(画像:Phil Guest[CC BY-SA〈https://bit.ly/2HOQrR3〉])。

 ただし同博物館は、少なくとも現在就航している多くの飛行機は、能力的に自動操縦ができないわけではないともいいます。

 たとえばエアバスでは、技術研究を目的とした飛行機の自律技術テスト「ATTOL(Airbus Autonomous Taxi,Take-Off&Landing)」というプロジェクトが進行しています。2020年1月には同社のA350-1000型機で、画像認識を用いた自動離陸のテストを成功させています。

 この「自動離陸」機能は、画像認識のためのカメラの装備やフライトコントロールコンピューターの調整なども別途必要ですが、2020年2月現在、世界各国で飛行している同モデルへも、ソフトウェアのインストールを行えば付与可能とのことです。

【了】

【表】モデルやメーカーで大きな差も旅客機の機種別「自動操縦」最低高度&時間

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