海中にひそむ潜水艦 いかにして一国を脅かすほどの力 持つまでになったのか?

かつて砲艦外交の主役が戦艦だったころ、潜水艦は各国海軍のなかでも傍流であり、脇役的存在でした。いまやアメリカをはじめ一部の国では、空母と共に砲艦外交の役割を担うまでその地位を高めました。その成り上がりの経緯を追います。

潜水艦のもうひとつの競争相手は「空軍」

 第2次大戦末期にアメリカが実戦化した核兵器の威力は世界中を驚かせ、核兵器を運用するアメリカ空軍の力(実戦力と政治力)は戦後、巨大なものになります。そうした状況を気に入らないのが、政治的に劣勢に立たされたアメリカ海軍でした。

 陸海空軍の政治的関係がややこしいのはどの国も同じで、極言すれば予算の奪い合いです。空軍に対抗するため、海軍や陸軍も何とか核兵器を運用できる能力を持とうと模索し、陸軍は大砲で発射できる核砲弾などというものも開発しています。ソ連と対峙する冷戦時代でしたが、アメリカ国内では軍同士も政治的に対峙していたのです。

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アメリカ海軍オハイオ級潜水艦のSLBM発射筒ハッチ(画像:アメリカ海軍)。

 弾道ミサイル潜水艦によって、海軍は政治的プレゼンス(存在感)を空軍から取り戻します。爆撃機はレーダーによって捕捉されて迎撃されますし、地上の核ミサイル基地は敵から攻撃され得ます。しかし潜水艦は広い海中に隠れることができて敵の攻撃を受けにくく、最も有効な核運搬手段と見なされたというわけです。

 地味で傍流だった潜水艦は、こうして国内外で威力を発揮する戦略兵器に進化したのです。

【了】

【写真】魚雷積み込み中のUボートから世界最大の原潜まで 潜水艦いろいろ

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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  1. 核兵器の威力…(泣)

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