今年で聞き納めか RR製オリジナルエンジン搭載YS-11 退役へ 空自入間基地の飛行点検機

戦後日本で初めて開発された国産旅客機YS-11。最初の東海道新幹線である0系とともに、昭和における高度成長期のシンボル的存在として扱われることも多い機種の、最後のオリジナルエンジン搭載機が退役目前になっています。

YS-11FCを運用する飛行点検隊の任務とは

 YS-11FCは、埼玉県入間基地に所在する「飛行点検隊」で使用されています。この部隊は、防衛省が管理する航空基地などに設置されている、自衛隊機や民間機の航行に使用される様々な航空保安用無線施設が問題なく稼働しているか、上空から点検するための専門部隊です。

 このような任務に対応するため、YS-11FCの機内には電波の送受信装置や、各種測定装置、自動飛行点検装置などが積まれています。

Large 20200330 01
YS-11FCとともに飛行点検隊が運用するU-125。今後はこの機とU-680Aの2機種態勢になる(柘植優介撮影)。

 また、現在も航空自衛隊が運用中のYS-11各機のなかで、ほかの機にはないYS-11FCだけの特徴として、試作機や民間定期路線で用いられたYS-11と同じロールスロイス(RR)製の「ダート」エンジンを積んでいる点が挙げられます。

 ほかの現役機はゼネラルエレクトリック(GE)製の新型に換装し、プロペラも形状の異なる3枚翼のものに変更しているため、「ダート」搭載機とはエンジン音がまったく異なります。よって、オリジナルのロールスロイス製「ダート」の音を響かせて飛ぶYS-11は、日本国内においては飛行点検隊のYS-11FCが最後になるのです。

 最後まで残ったYS-11FCは、元々人員輸送仕様のYS-11Pとして1965(昭和40)年3月に引き渡された機体で、1990年代初頭に改修されて飛行点検機になりました。そのため「ダート」搭載機としては国内最長の、55年間飛んでいる機体でもあります。

 飛行時間や天候、機体のコンディションも関わるため現時点では不明ですが、もしかすると2020年の入間基地航空祭でYS-11FCが最後の飛行展示をするかもしれませんね。

【了】

【写真】後継のU-680Aと並んだYS-11FC

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開