異性が隣に来る/来ない 高速バスの座席指定 どう決まるのか? 男女でエリア分けも

対応の違いはシステムの違い 「老舗」と「新規」とで根本から相違

 この差には、座席管理システムの違いが関係しています。鉄道会社をルーツに持つような老舗バス事業者が使うシステムは、鉄道のシステムを参考に作られており、予約成立と同時に座席番号が決まります。運賃が支払われた時点、あるいは乗車券の発券時に初めて号車番号、座席番号を乗客に伝える事業者もありますが、システム上は予約の時点で座席が割り振られています。

 一方、新規参入事業者が使うシステムのほとんどは、旅行会社のシステムがベースです。3列シート車の場合や、座席の希望を聞いた場合を除くと、予約の時点では座席番号を決めず、定員に達するまで予約を受け付けていきます。そして乗車当日、「出発時刻の〇分前」など予約受付終了時刻を過ぎた時点で、座席を割り振ります。男女別配席のほか、続行便(2号車以降)が設定されている場合は、同じ停留所で乗降する人を同じ号車に割り振るなどして、運行を効率化することもできます。

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東京駅八重洲口のJR高速バスターミナル。JRバスの乗車券はかつて、鉄道と同じ「マルス」と呼ばれるシステムで発券されていた(2018年6月、中島洋平撮影)。

「予約=座席番号確定」という手法だと、飛び飛びで席が埋まってしまい、あとから複数人で予約をした際に席が離れてしまうこともあります。しかし、座席番号を指定せずに予約を受けておけば、ひとり客の「窓側/通路側」といった席の希望を反映させつつ、複数人予約についてはかためて席を確保することも容易にできます。男性の予約が多くて一般席が満席となっているのに、あらかじめ設定していた女性専用席は空席のまま、という事態も避けることができるのです。

 また、この手法であれば「楽天トラベル」など外部の予約サイトに座席を提供するのも簡単です。実際、こうした予約サイトの活用は、新規参入事業者から始まりました。

 かつては、「公式予約サイトでは満席なのに、外部のサイトでは残席がある(またはその逆)」ということも起こっていましたが、いまや新規参入各社のシステムはもちろん、「発車オーライネット」や「SRS」もこれらの外部サイトとオンラインで接続されており、公式サイトから予約した際と同じように座席が決められます。

 ただし、「公式サイトからは希望の座席を選べるが、外部のサイトからは選べない」というふうに、あえて機能に差をつけている例もあります。

【写真】高速バスの「女性専用席」

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コメント

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2件のコメント

  1. 一般乗り合い事業で認可を受けておきながら空席を男性に売らないとか完全な法律違反だろ
    属性は個人では選べない生まれ持った性別だろが
    これを差別と言わず平然と区別と言う事業者は廃棄しろ!

  2. 女性に優しい企画、のように宣伝しつつLGBTには何の配慮もしていない会社って多いですよね。