WW2で米本土の爆撃に唯一成功の「零式小型水上偵察機」 小柄でも大きかった存在感

潜水艦から小型水上機をカタパルト射出する方法は、ヨーロッパで生まれましたが、太平洋戦争でそれを広く用いたのが旧日本海軍です。アメリカ西海岸からアフリカ東海岸まで、まさに太平洋の端からインド洋の端まで運用しました。

インド洋を横断し南アフリカを航空偵察

 伊30はドイツに派遣(遣独)される任務も帯びていたため、1942年4月11日、ほかの艦に先んじて呉軍港を出港すると、アフリカ東海岸のジブチやザンジバルなどを零式小型水偵で上空から偵察してイギリス艦隊の動向を探ったのち、マダガスカル島沖合から大西洋へ向かっています。

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1942年にマレー半島沖合のペナン島を出港する伊10(画像:アメリカ海軍)。

 一方、5日遅れで4月15日に呉を出た伊10は、5月20日に南アフリカのダーバンを零式小型水偵で航空偵察すると、30日にマダガスカル島上空の偵察飛行にも成功、島内の港にいたイギリス艦隊を発見します。

 この情報により、伊16(伊号第十六潜水艦)と伊20(伊号第二十潜水艦)が運んできた小型潜水艦「甲標的」は港内に潜入、戦艦「ラミリーズ」とタンカー1隻に魚雷攻撃を行い、前者を大破、後者を撃沈しました。

 このように零式小型水偵は、潜水艦に搭載できるメリットを活かして、空母艦載機ですら到達できなかったエリアまで遠征しています。しかし、太平洋戦争後半になるとアメリカやイギリスの徹底的な対潜水艦作戦によって、外洋に出ても母艦である潜水艦ごと沈められることが多くなり、ほとんど活動できなくなりました。

 そのため、零式小型水偵は試作機含めて138機生産されましたが、終戦時に残っていたのはわずか17機といわれています。その小柄な機体とは裏腹に、挙げた戦果は大きかったといえるでしょう。

【了】

【写真】史上初のアメリカ本土爆撃を実行した零式小型水偵 出発直前

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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