「西武の飛び地路線」バスにも 新宿~池袋「宿20」 2大ターミナル結ぶ路線がなぜ?
路線名は「中井線」 当初は池袋~中野坂上
「宿20」の運行開始は1955(昭和30)年12月のことで、誕生の背景には現在の山手通りの整備が関わっています。
昭和20年代、山手通りは神田川のそばに位置する中井駅の前後で分断されていたところ、進駐軍の特命により陸橋が架けられたことをきっかけに、西武バスが「中井線」として路線バス開設の免許を国へ申請したそうです。当時の申請文書を見ると、池袋側から山手線や現在の西武池袋線、西武新宿線、中央線、そして当時青梅街道沿いを走っていた路面電車の西武電車(のちの都電杉並線。新宿~荻窪)など、複数の路線を連絡する効率のよい路線、としています。
運行開始当初は池袋駅東口から現在の中野坂上までの区間で、およそ1年強を経たのち新宿駅西口まで延伸されました。前出した豊島園~新宿駅西口の路線が、関東バスと共同運行により、すでに開設されていたことが有利に働いたようです。
しかし、こうした西武線エリアから池袋や新宿に直通する路線バスのほとんどは、「自家用車の普及による道路事情の悪化や、路線整理などで徐々に廃線となりました」(西武バス)といいます。宿20以外で池袋に発着していた「練45」系統(練馬駅~池袋駅東口)が2008(平成20)年に廃止されたことで、宿20系統が現在のような孤立路線になりましたが、この練45系統も、実質的には宿20系統の車庫回送を兼ねたもので、朝と夜の1本ずつだけ運行されていたものです。
宿20系統について西武バスは、「西武グループの本社がある池袋の路線は基本的に継続させる考えがあるため、現在も運行しています」と話します。
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