「大量に建造された潜水艦」3選 WW2期から現代まで 最多建造はやっぱりドイツ製
中国も生産した第2次世界大戦後の最多潜水艦
第2次世界大戦中は各国とも潜水艦を大量に建造しました。では大戦後から21世紀の現代に限定した場合はというと、最も多く作られたのは旧ソ連の613型潜水艦です。いわゆるNATOコードは「ウィスキー級」で、日本ではこちらの方が通りはよいかもしれません。
1951(昭和26)年から1958(昭和33)年までの7年間で215隻、就役したほか、中国が旧ソ連から技術移転と部品供給を受けて21隻を国内建造しており、合わせて236隻が建造されました。
613型は、ディーゼルエンジンと電気バッテリーで航行する通常動力型の潜水艦で、長期航海をあまり想定しない沿岸警備用の潜水艦です。設計に際して、ドイツが第2次世界大戦後期に建造したXXI型潜水艦の技術を基に、独自の改良を施しています。大きさは浮上時の水上排水量で約1100トン、潜航時の水中排水量で約1350トンと、同時期のアメリカやイギリスの潜水艦よりも小ぶりです。
建造技術の未熟さから水中での雑音が多かったそうで、後継艦が次々と建造されていくなか、ソ連本国では1980年代後半にはすべて退役しています。
大量建造されたため、冷戦中には前述の中国以外にも、旧ソ連の友好国であったアルバニアやエジプト、インドネシア、ポーランド、北朝鮮などに輸出されましたが、それらの国々でも旧式化したため、2020年4月現在、ほとんど退役しています。
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