外観まさに「空飛ぶ円盤」 アメリカが作った円盤型VTOL機どう飛ぶ? 特異な構造と結末
アメリカ空軍が手を引くも同陸軍で開発継続のワケ
アブロは、アメリカ空軍の協力を取り付けることに成功し、1955(昭和30)年から全翼型VTOL戦闘機の開発を始めます。
開発を進めるなかで、アブロのVTOL戦闘機は、全翼機から円盤機に形状が変わっていきます。しかし研究の結果、様々な問題点が露呈し、アブロのコンセプトでは実現性に乏しいことが判明したため、1958(昭和33)年に開発中止となりました。
それでも、今度はアメリカ空軍の代わりにアメリカ陸軍が興味を示します。高高度を高速で飛行するのではなく、低高度を低速で飛行するのであれば、実現性はかなり高まります。アメリカ陸軍はこの円盤機に対し、ヘリコプターと違ってローター(回転翼)がないため、超低空を飛行するのに適していると考えたようでした。
アメリカ陸軍のプロジェクトとなったアブロの円盤機は「VZ-9AV」の機番が振られ、1959(昭和34)年5月27日に試作1号機が完成しました。なお、1回手を引いたアメリカ空軍でしたが、やはり興味があったのか、再び資金協力しています。
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