「足立のコロッセオ」 首都高の元祖ぐるぐるランプ「加平」 なぜああなった?

極めて合理的な構造の「コロッセオ」

 首都高速道路によると、加平出入口は「環七通りの双方向と直接接続すること」かつ「一般道側に交差点を設けないこと」を前提に、「できる限り用地を小さくする」という3つの条件を満たすべく設計されたといいます。

 S1川口線 鹿浜橋出入口の場合、環七通り外回りから首都高の川口方面には直接流入できますが、それ以外のランプウェーは、荒川の土手に沿って走る首都高の高架下道路に接続しており、環七通りと行き来は可能なものの、直接つながっているわけではありません。

 対して加平は、ふたつの「コロッセオ」にそれぞれ入口と出口が並列しており、環七通りから首都高のランプウェーに入るのも左折、首都高から環七に出るのも左折でできます。

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環七通り外回り側の加平出入口(2020年3月、乗りものニュース編集部撮影)。

 いまでは、このようなループ状のランプウェーはC2中央環状線と3号渋谷線が接続する大橋JCTをはじめ複数のJCTに見られるほか、2020年2月に開通したK7横浜北線の馬場出入口(一部ランプは未開通)も、丘陵地を通る一般道と首都高の地下トンネルを結ぶためループ状の構造をしています。いずれも小さな用地で高低差を克服しているもので、これら首都高における「ぐるぐるランプ」の元祖が、1985(昭和60)年に開通した加平出入口なのです。

 ちなみに、加平の「コロッセオ」はふたつとも、上空から見ると空洞になっており、そのスぺ―スはいずれも首都高の管理用車両の駐車場になっています。一方、前出の大橋JCTも外から見ると、地下から地上に筒状の建造物が突き出た形になっていますが、この上は緑地化され水田まで作られており、地元小学生などの環境学習の場として使われています。

【了】

※一部修正しました(5月29日18時45分)。

【路線図&写真ギャラリー】加平出入口の位置と構造

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コメント

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2件のコメント

  1. 加平インターの記事ですが、

    『環七通りから首都高のランプウェーに入るのも左折、首都高から環七に出るのも左折でできます。もちろんそれぞれの接続部に信号もありません。』

    とありますが、4カ所全ての接続部に信号ありますよ。『もちろん』以降は削除が適当かと。
    ただでさえ地味な信号で初心者殺しですが、危ないので、訂正願います。

    • ご指摘ありがとうございます。
      記事を修正いたしました。