知ってる? セグウェイが公道を走れないワケ 原付登録も無理 五輪の警備に活用期待も…

規制緩和へ向け国も動く しかしセグウェイは…

 前出のとおり、近年はセグウェイだけでなく、自転車にもなる電動バイクや、電動キックボードなど、多くの種類のモビリティが登場しています。これらが多くの国で免許なしに乗ることができる一方で、日本においては公道走行を実現するため、保安部品を取り付けて原付の枠にあてはめるしかない状況が続いています。

 これらは、たとえば人力の自転車として、あるいはキックボードとして乗る場合であっても、ナンバー登録、運転免許携帯、ヘルメット着用、自賠責保険の加入、車道走行が必須で、押して歩く場合以外、歩道を利用することはできません。このため、電動キックボードのシェアリング事業を展開するLuup(ループ、東京都渋谷区)やmobby ride(モビーライド、福岡市中央区)といった事業者は、現行の法制下では、高齢者や観光客の手軽な移動手段としてのサービス提供ができないとしています。

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電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP」のイメージ。2020年5月から渋谷周辺に50台配置したところ、2日間で2000人以上が会員登録したという(画像:Luup)。

 一方、国は2018年、現行ルールでは新しい技術やビジネスの導入が難しい場合に、実証実験を行うことでルールの見直しにつなげていくという「規制のサンドボックス制度」を創設しました。Luupやmobby ride、また自転車にもなる電動バイクを製造販売するglafit(グラフィット、和歌山市)も、この制度を活用し、法規制の緩和に向け実証実験や関係機関との対話を重ねています。

 そうした動きのかたわらでセグウェイは、2006(平成18)年から公道走行の実証実験が5万km以上重ねられてはいるものの、実験の域を抜け出せていないといいます。セグウェイによる公道走行ツアーは現在、横浜やつくばなど、全国7か所で実施されていますが、セグウェイジャパンによると、「これが10か所まで増えれば、規制緩和の実現につながるかもしれない」と言われ続けているそうです。しかし、歩道の幅が3m以上ある場所に限定されるなど、実証実験に至るまでのハードルも高いと話します。

【了】

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