陸自バイク「偵察オート」はなぜ「ゲームチェンジャー」たりうるのか 日米演習の事例
「ゲームチェンジャー」とはもともと野球などのスポーツで、途中交代で出場し試合の流れを一気に変える選手をいいました。日米共同訓練でアメリカ陸軍に「戦場のゲームチェンジャー」と称された陸自「偵察オート」に迫ります。
窮地に陥った味方部隊を救った陸自「偵察オート」
世界最強ともいわれるアメリカ陸軍の兵士たちを驚愕させた乗りものが自衛隊にありました。それは、全国の普通科部隊や偵察部隊などにある「偵察オート(バイク)」です。
米国カリフォルニア州に、アメリカ陸軍として最大級の敷地面積を誇る演習場「ナショナル・トレーニングセンター」があります。2019年2月、この地で行われた日米共同演習において、陸上自衛隊はアメリカ陸軍の部隊と連携し、対抗部隊(アメリカ軍の敵役部隊)を倒す訓練に参加していました。
対抗部隊のホームグランドとなる演習場で、地の利に乏しい陸上自衛隊を含む訓練参加部隊は終始、苦戦します。進もうと計画していた渓谷には対戦車ミサイルが指向され、駆け込んだ市街地には対抗部隊と友好関係にあるという設定の民兵が攻撃を仕掛けてきました。
窮地に陥った訓練参加部隊でしたが、そこに救世主とも呼べる自衛隊の装備が登場しました。それが偵察オートです。
偵察オートは、陸上自衛隊の普通科部隊や偵察部隊などに装備されているオフロードバイクで、自動二輪免許と自衛隊内部での資格を取得した隊員だけが乗れるものです。隊員は部隊の「目」や「耳」となり、敵情の偵察や、被災地における情報収集などを任務としています。
「言わしめる」が言わせるという意味なのに、さらに「させる」をつけるのはどうかと思います。