陸自バイク「偵察オート」はなぜ「ゲームチェンジャー」たりうるのか 日米演習の事例
実はアメリカ陸軍にはなかったバイクを駆る偵察部隊
実は、アメリカ陸軍はこの「偵察オート」に準ずるようなバイクを装備する部隊を持っていません。そのため、移動はもっぱら4輪や8輪の装甲車などがメインとなり、その車体の大きさから進入できる道も限られ、巻き上げる砂煙などによって遠くからでも良く見えてしまいます。
しかし、偵察オートのような小型車両であれば遠くから発見されにくく、基本的にタイヤの幅があれば狭い場所でもグイグイ進むことができます。
唯一の難点といえば、乗員を守る装甲が無く、燃料タンクも小さいため、航続距離が装甲車と比較して短いということです。
装甲が無いのはどうしようもないのですが、航続距離は偵察するための拠点を設けることによって、燃料補給が可能です。前述の演習においても、臨時に設けられた拠点から縦横無尽にフィールドを走って敵の情報を収集する偵察オート部隊は、米陸軍関係者から「まるで忍者だ」と言わしめさせるほどでした。
一見すると脆弱に見えるこの偵察オートが、演習において大いにその特性を発揮した場面があります。それが、お家芸でもある「敵の偵察」の場面でした。
「言わしめる」が言わせるという意味なのに、さらに「させる」をつけるのはどうかと思います。