陸自バイク「偵察オート」はなぜ「ゲームチェンジャー」たりうるのか 日米演習の事例
舞台は広大な砂漠地帯 偵察オートはどう駆けた?
ナショナル・トレーニングセンターにある演習場は、もともとが海底地形で、そこが隆起してできたモハベ砂漠に設置されています。地面の起伏が激しいわりに、遠くが見通せる日本では見かけない地形です。
この地形を利用して攻撃してくる対抗部隊の猛攻になんとか耐えていた陸上自衛隊とアメリカ陸軍の訓練参加部隊ですが、ここで偵察オートに乗った隊員が、対抗部隊の見える場所まで移動し、その正確な位置情報を入手してきました。
これらの情報を元に、攻撃に打って出る訓練参加部隊。偵察オートとこれを駆る隊員のこうした機敏な動きを見た、ナショナル・トレーニングセンターで審判を務めるアメリカ陸軍兵士は「偵察オートは、戦場のゲームチェンジャー」だと、彼らを称えます。つねに状況が変化する戦場において、偵察オートの機敏な行動力は形成逆転の切り札になることが証明された瞬間でした。
2020年5月現在、陸上自衛隊は日本の地形に合致するという理由から、多くの偵察オートを保有しています。
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Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
「言わしめる」が言わせるという意味なのに、さらに「させる」をつけるのはどうかと思います。